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「脚本を読んだとき、ほかの登場人物と比べると、晄司(こうじ)の存在が平たく思えて。だから、憤怒する場面では、タガが外れたような切れ味を意識しました」

 

そう語るのは、10月20日公開の映画『おまえの罪を自白しろ』で主演を務める中島健人(29)。

 

本作が本格的な社会派サスペンス映画初挑戦の中島が演じたのは、国会議員・宇田清治郎(堤真一)の次男で秘書の晄司という青年。実際に国会や議員会館にも足を運んだという。

 

「晄司は常に、現状の自分に満足できない鬱屈した思いを抱えているんだけど、それは僕自身も同じ。爆発すると、すごいエネルギーになることも知っているから、彼の一番の理解者として演じきりました。今の自分に出せる“深み”は、最大限表現できたと思います」

 

劇中、晄司は清治郎の政治姿勢に反発し葛藤する。その関係性は、ある恩人の存在を思い出させたとか。

 

「僕にとっての清治郎は、芸能界に入りたてのころお世話になった振付師さん。すごく怖い方で、たくさん指導されたから、正直苦手だったんだけど、彼のもとを離れてしばらくたった今は、あの刺激が恋しい。振り返ると、厳しい言葉で僕の進むべき道を示してくれてたんだよね。最近、連絡してもなかなか返事くれなくて悲しいけど(笑)」

 

デビュー当時から、常に芸能界の第一線を走り続ける中島。プレッシャーもあるはずだが、仕事への思いを語る表情は明るい。

 

「ステージで歌って踊っているときは、生きてるって実感があるし、演技の仕事は、自分じゃない自分になれるのが心地いい。初めて作詞をしたのも、片思いの役を演じたのがきっかけで、ずっと相互作用してるんだよね。アイドル活動も俳優業も、表現者としての僕の“生きがい”です」

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