10月20日午後に天皇陛下をお迎えして開かれた臨時国会の開会式で、“前代未聞”の一幕が波紋を呼んだ。
同日は体調不良を理由に衆院議長を辞任した細田博之氏(79)に代わって、新たに衆院議長に就任した額賀福志郎氏(79)が臨んだ。しかし、段取りをミスしてしまうハプニングが……。
陛下が見守るなか、国会開会にあたっての式辞を演壇で読み上げた額賀議長。本来ならば式辞が書かれた文書を持って演壇から退出すべきところを、陛下に文書を手渡してしまったのだ。
その際、注目を集めたのは陛下の寛容なご対応だった。額賀議長が階段を上がって陛下の席へ赴くと、陛下はゆっくりと立ち上がられた。深々とお辞儀する額賀議長に頭を下げられ、やや戸惑いつつも落ち着いた様子で式辞を受け取られていた。
「本来ならば式辞を読み上げた後、その場で振り返って陛下にお辞儀するのが正しい所作です。予期せぬ額賀議長の行動に陛下は2度ほど側近の方をご覧になられていましたが、動じることなく対応されていました。それだけでなく式辞を受け取られる際には、優しい笑顔で額賀議長を見守られていたのです」(皇室担当記者)
この一部始終が報じられると、ネット上では陛下を絶賛する声が続々。
《陛下の笑顔がお人柄を物語っている・・・・》
《陛下の懐の深さが凄いな。 受け取らない選択肢もあったろう、それでも受け取った。議長は大いに反省して下さい。言い訳なら誰でも出来る》
《すごいなっと思ったのは、若干の困惑があったものの落ち着いた態度で笑顔で受けた天皇陛下》
《天皇陛下の対応が素晴らしい。その一言》
額賀議長はその後の就任記者会見で、自らの“失態”を「初めての経験で緊張した」と釈明。リハーサルは行っていたものの、所作を誤ってしまったという。「しっかりと反省をした上で、今後、議事進行など様々な行事についてしっかりと対応できるように努力をしてまいりたい」と、反省の弁を述べていた。
23日に行われた衆院議院運営委員会の理事会では、山口俊一委員長(73)によって額賀議長が20日中に宮内庁へ謝罪していたことも明らかに。西村泰彦宮内庁長官は、「天皇陛下は気にされていない」と話していたという。
陛下の懐の深さに、額賀議長も救われたことだろう。