米大統領選における共和党の指名争いでトップを独走しているドナルド・トランプ前大統領。週末にメリーランド州で行われたCPAC(保守政治活動協議会)に出席した際、Daily Express USのインタビューに応じ、「ヘンリー王子が嫌いだ」と話した上で、再選したあかつきには彼を国外追放する可能性を仄めかした。
「私は彼を守るつもりはない。彼は女王を裏切った。許しがたいことだ。私なら、彼を手助けすることはしない。国土安全保障省(DHS)は甘すぎるんだ」とトランプ氏はバイデン政権の批判も交えながら語った。
英王室を離脱し、現在は米カリフォルニア州に居を構えるサセックス公爵ヘンリー王子は、米国の市民権を持っているわけではない。昨年出版した回顧録『Spare』の中で、独身時代に様々なドラッグに手を染めていたことを告白したが、通常犯罪歴のある人は入国の際厳しく審査され、入国を許可されないことも多い。しかし、ヘンリー王子は何の支障もなく英国と米国を行き来している。これに異を唱えたのが、国防の強化を訴える保守系のシンクタンク「ヘリテージ財団」だ。
TIMEによるとCPACの前日、財団はヘンリー王子の申請内容に虚偽があった可能性を指摘し、連邦政府に対してヘンリー王子の入国書類やビザ申請書の開示を求めて訴訟を起こした。しかし、DHSはヘンリー王子にはプライバシーがあり、著書における記述は宣誓供述には当たらないと反論している。
移民に厳しい保守派のトランプ氏が大統領に再選すれば、財団の求めに応じDHSに書類を開示させ、それを論拠にヘンリー王子を国外退去する可能性があるとDaily Express USの政治担当デヴィッド・マドックスは推察する。
Mail Onlineによると、父チャールズ国王ががんを公表したことを受け、ヘンリー王子は公務を手伝うと申し出たが、王室側によって「戻ってくることなど許されるはずがない」と一蹴されたという。もしトランプ氏が再選すれば、王子は米国にも居られなくなるかもしれない。