「愛子さまの初めての単独ご公務に関しては侍従職を中心にして、内容や時期など、かなり前から慎重に検討されてきました。満を持してのお出ましとなったわけですが、宮内庁内でも『まさに愛子さまにふさわしい初ご公務になった』という評価が多いようです」
そう語るのは宮内庁関係者。
5月11日夕方、愛子さまは東京都千代田区の国立公文書館を訪問され、特別展「夢みる光源氏─公文書館で平安文学ナナメ読み!─」を視察された。
「同展では『夢』をテーマに、『源氏物語』だけでなくその注釈書や、『古今和歌集』や『枕草子』などの古典文学にまつわる資料などが展示されていました。どれも愛子さまが学習院大学で学ばれてきた文学作品ばかりです」(前出・宮内庁関係者)
国立公文書館は、歴史的に資料価値が高い重要な公文書などの適切な保存や利用を図ることを目的として設置された施設。膨大な資料を所蔵しているが、認知度は決して高くはない。
「皇室の方々のご公務は基本的に、オファーを受ける形になっています。今回のご視察も国立公文書館からの申し出があり実現しました。愛子さまのお出ましにより、古典文学だけではなく、国立公文書館自体の存在を広く国民に知ってもらいたいという意図もあったのでしょう。
ただ天皇陛下と雅子さまも、最初のご公務は、愛子さまのご意思に沿うものが望ましいとお考えだったと聞いています。そのため、“弱い立場にいる人たちに寄り添うもの”や“動物たちの命を救うもの”、もしくは“大学で真剣に学ばれた古典文学に関するもの”になるのではないかと、宮内庁内でささやかれていたのです」(前出・宮内庁関係者)
名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは次のように語る。
「第一歩としては、ふさわしいものを選ばれたという印象を受けました。愛子さまご自身の興味・関心がある分野ですし、古典文学という日本の伝統文化の魅力を国民に伝えていくことを、ご公務の柱の1つにすえることを示されたのだと思います。
皇居からとても近い場所にありますし、公的な機関ですから、警護も最小限ですみます。さらに体力的なご負担も少なかったのではないかと思います」
愛子さまは前日も19時過ぎまで日本赤十字社(以下・日赤)で勤務されていたのだ。
「愛子さまは、日赤のご勤務にも真摯に臨まれています。そちらに支障を及ぼさないように、今後は平日はご勤務を優先され、週末はおもに単独ご公務というスタイルになっていく可能性もあると思います」(前出・宮内庁関係者)
日赤では「事業局パートナーシップ推進部 ボランティア活動推進室 青少年・ボランティア課」に配属された愛子さま。現在は、ボランティアに関する情報誌の編集や研修といった業務をおもに担当されているという。
皇室担当記者によれば、
「愛子さまは、幼いころから作文がお上手で、大学の卒業論文も締切り直前まで推敲されるなど、文章にこだわりを持たれています。そんな愛子さまの文章力への評価も、同部署への配属の決め手になったのでしょう。愛子さまが編集作業に携われているのは『赤十字ボランティアのための情報誌 RCV』だと聞いています。
RCVは“Red Cross Volunteer”の略で、ボランティアたちの活動を広報するための小冊子です。カラー8ページで、年に2回発行され、日赤のHPからも読むことができます。
今年2月に81号が発行されており、テーマは《災害のために平時から備える~自分を守り、周りを守る~》。各地の赤十字奉仕団の活動や、ボランティアたちの声が紹介されています」