《今後とも変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます》
5月16日、こうコメントしたのは松本潤(40)。5月30日をもってSTARTO ENTERTAINMENTを退所し、独立することを発表した。
嵐で独立するのは二宮和也(40)に続き2人目。今回の松本の決断には、6カ月前のある出来事が大きく関係していたーー。
入所以来28年所属した事務所で、近年、松本は後輩の育成にいそしんでいた。
「松本さんは後輩向けに“演出塾”を開催して演出術を伝授してきました。実は、松本さん自身も中居正広さん(51)や滝沢秀明さん(42)から演出を学んできました。先輩から後輩に経験を惜しみなく伝えて育てるという“ファミリー感”を松本さんは大切にしていたのです」(音楽関係者)
松本のこうした思いは、’21年12月30日に開催されたライブイベント「Johnny’s Festival」でも。
「『ジャニフェス』には所属タレント総勢78人が登場しました。
松本さんが嵐以外の演出をするのは初めてでしたが、手ごたえを感じていたようです。“あのライブの一体感は凄まじかった”と話していました」(テレビ局関係者)
ファンから好評を博した「ジャニフェス」はDVD化された。
「グループごとに異なるレコード会社に所属しているため、権利の関係で『ジャニフェス』は当初DVD化される予定はありませんでした。
しかし松本さんが“先輩・後輩みんなで作り上げたステージを世に残したい”と事務所の上層部に掛け合ったことで、DVD化が実現したのです」(前出・音楽関係者)
多忙を極めながらも演出に心血を注ぎ、DVD化までーー。これも“家族愛”のなせる業だったのだろう。
しかし6カ月前のある出来事によって、松本の思いにも変化が起きたという。
「昨年10月、旧ジャニーズ事務所から新会社(のちのSTARTO社)の設立が発表されました。社長には東山紀之さん(57)が就任する予定でした」(芸能関係者)
当時松本は、『どうする家康』(NHK)の撮影の真っただ中。大河ドラマの主演という大役を務めるなかで噴出した旧ジャニーズ問題に、昨年11月に生出演した『あさイチ』(NHK)では、
「自分たちが現場で作った作品がオンエアできないんじゃないかとか、今日の『あさイチ』も出演できないんじゃないかみたいなことも考える時期もありました」
と告白している。
「事務所の先行きに不安を感じるなか、松本さんが心のよりどころにしていたのが東山さんでした。
東山さんはタレントとしても事務所を牽引してきた人物。松本さんは時には厳しく叱られたこともあったそうですが、駆け出しのころから面倒を見てもらったと慕ってきました。
東山さんが新会社の社長に就任するなら、恩返しの意味も込めて松本さんは事務所の再建に貢献したいと考えていたそうです」(前出・芸能関係者)
しかし、実際にSTARTO社の社長となったのはコンサルティング会社社長の福田淳氏(58)。東山氏は昨年10月末、STARTO社の社長就任を辞退したのだ。
「東山さんはすでにSMILE-UP.の社長として、ジャニー喜多川氏(享年87)による性加害の被害者補償にあたっていました。
そんな重大な業務を担当しながらSTARTO社の社長を兼務することは難しいと判断し、東山さんは辞退することになったのです。苦渋の選択でした」(前出・芸能関係者)
松本も社風の変化を肌で感じていたようだ。
「“ジャニーズの長男”として求心力のあった東山さんがSTARTO社とは関わりのない立場となったことで、松本さんは“もう家族のような一体感はなくなった”と退所を考えるようになったといいます。
STARTO社ではタレントはそれぞれ異なる契約形態となるので、自由度が高くなるいっぽうで、タレント間のつながりはこれまでとは変わってくるのかもしれません」(前出・テレビ局関係者)
昨年12月26日、本誌は都内のホテルで松本の姿を目撃している。この日は東山氏のディナーショーの最終日。東山氏のタレントとしての最後の表舞台だった。
「松本さんは会場に花も贈っていました。東山さんへの思いの深さを感じます」(前出・音楽関係者)
とはいえ、福田氏は松本の退所に際してこうコメントしている。
《もちろん今後も松本さんが、STARTO社の社友であることに変わりありません》
今後は家族から友へーー。
嵐としては、STARTO社とのエージェント契約は継続する。
「今までは、退所したら後輩と関わることは難しいとされてきました。しかし近年はそれがかなう場合も多く、5月17日には山下智久さん(39)がtimelesz(元Sexy Zone)のプロデュースを担当することが発表されたばかり。
松本さんの演出家としての腕前は誰もが知るところですから、独立後も後輩の演出をすることもありえます」(前出・音楽関係者)
人知れず退所を決断していた松本。だが、松本の“家族愛”は後輩たちに届いているはずだ。