米オレゴン州ユージーンで18日に開催された高校陸上競技選手権。女子200メートルで優勝を決めたエイデン・ギャラガーさんに観客から贈られたのは、喝采ではなくブーイングだった。TMZなどが報じている。
マクダニエル高校2年生のギャラガーさんは、途中遅れを取ったものの最終コーナーをまわった終盤に追い上げ、23秒82のタイムでフィニッシュラインを通過した。その瞬間、会場にはブーイングが起こり、表彰式でも再びブーイングが起こったのだ。ギャラガーさんは、出生時の性別が男性のトランスジェンダーだという。
トランスジェンダーの選手が女子の競技に出場することに異を唱え続けている元全米大学体育協会の水泳選手、ライリー・ゲインズさんは、自身のXでこう反応した。
《ブーイングの声を聞いてください。そろそろ潮時です。この1週間、進歩的な人々はオレゴン州の平凡な男子が1位にふさわしい少女から選手権を奪ったことよりも、伝統的な価値観の重要性を強調するカトリックの男性に憤慨しています》
英国のジャーナリスト、ピアーズ・モーガンはNEW YORK POSTに次のようなコラムを寄稿した。
「それはまるでウサイン・ボルトが女子200メートルに出場し、現世界王者のシェリカ・ジャクソンを圧倒するのを見ているようだった。ボルトが持つ記録は19秒19で、ジャクソンは21秒41。2秒以上遅いが、それはボルトが“優れた”ランナーだからではなく、より大きく、より強く、より速い男性としての生態を持っているからだ。だからこそ、陸上競技では男女が分けられているのだ」
さらにモーガンは、「エイデン・ギャラガーがアメリカでアスリートとして競技を行う権利を取り上げるべきではない。ただ、トランスジェンダーの権利が女性の公平性と平等に対する権利を傷つけるようなこともあってはならない。ギャラガーは、他の生物学的な男性と競うか、トランス・アスリートのための部門を新設するべきだ」などと提言した。