5月27日に大阪市内の病院で、女性漫才コンビの先駆けとして、80年代漫才ブームを牽引した今いくよ・くるよの今くるよさん(享年76)が、膵ガンのため亡くなった。
今いくよ・くるよは、高校のソフトボール部の同級生だった今いくよさんと組んでいたコンビで、くるよさんが両手を交互に突き出しながら“どやさ、どやさ”と連呼するギャグが鉄板であった。
’15年5月にいくよさん(享年67)が逝去。二人三脚で歩んできた相方を亡くしたくるよさんのショックは大きく、徐々に活動を控えるようになったという。
2人と親交が深かった関西のある演芸作家が振り返る。
「お笑いコンビには、仕事が終わったら行動は別だったり、仲が悪かったりするコンビも多いのですが、いくよくるよさんは、同じマンションの隣同士の部屋に住んでいて、仕事はもちろん私生活でもいつも一緒。本当に仲がよく、まるで夫婦みたいでした。
なので、相方のいくよさんが亡くなったことは、くるよさんにとって計り知れないほどのショックと悲しみだったと思います」(以下、カッコ内は演芸作家の発言)
いくよさんとの別れに憔悴しきっていたくるよさん。彼女を心配した後輩芸人らが、電話をかけ励ましたことで、徐々に気力を取り戻し、テレビや舞台にも復帰するようにまで回復したーー。
「いきなり一人で舞台に立つのは負担が大きいということで、大喜利大会で一番最後にボケるといった役回りで、大勢の後輩芸人らと一緒に出演するという形で復帰しました」
舞台の上では気丈に振る舞うくるよさんだが、思わず弱音をこぼすこともあったようだ。
「くるよさんに会った時、『ようさんの人と一緒にやるのは大変やねえ』とか『やっばり私は漫才の方がやってて楽しいわ。いくよちゃんはもうおらへんのやけど……』と話していましたね」
さらに‘22年には、転倒し、大腿骨を骨折してしまう不運にも見舞われてしまう。
「一昨年の始めごろだったと思います。たまたまくるよさんの20年来のマネージャーであるAさんとお会いした時、『くるよさん元気してはる?』と聞くと、Aさんは『食事もちゃんととって、元気は元気なんですけど、車椅子にいったん乗ったら車椅子が気に入ってしまって、車椅子からはなれへんのです』と言っていました。
Aさんが『自分の足で歩くようにしないといけませんよ』と伝えていたそうなんですけど、『自分で歩いてまたこけて足折ったらどうすんのさ』と言い返され、『もう何も言えないんです』って、正直Aさんも困っていましたね」
それから数カ月が経った‘22年の4月2日、大阪・難波グランド花月で開催された吉本興業110周年特別公演「伝説の一日」にくるよさんは車椅子姿で出演し、“どやさ”を連発。生前最後の舞台となった同公演で会場を盛り上げた。
同日に配信された『ORICON NEWS』のインタビューでは、「感極まってます。ホンマに久しぶりやから。お客さんもいいお客さんやったね~。ホンマに、どやさやったわ~。どやさ~」と語っていたくるよさん。天国でいくよさんと再会し、楽しく漫才をしていることだろうーー。