女優・吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ『光る君へ』。今作の舞台は、大河ドラマでは珍しい“平安の貴族社会”。「源氏物語」の作者である紫式部(まひろ)の生涯が描かれている。“ラブストーリーの名手”と呼ばれる大石静氏が脚本を手掛けているが、初回放送でヒロインの母・ちやは(国仲涼子)が殺害されてしまうという大事件は視聴者に衝撃を与えた。
大河ドラマの“母上”といえば、主人公の人生に大きな影響をおよぼす存在。歴代の大河ドラマでも、実力派の俳優たちが演じてきた重要な役どころだ。今回、本誌は2001~2023年に放送された大河ドラマのうち、もっとも好きな”主人公の母上”に関するアンケートを実施。印象深い登場人物と、その理由を調査した。ベスト3に選ばれたのははたして――。
第3位に選ばれたのは、『江~姫たちの戦国~』の市(鈴木保奈美)。上野樹里が演じたヒロイン・江の母親だ。強い女性の一面と、“日本史上最も有名な三姉妹”(浅井三姉妹)ともいわれる娘たちには甘い部分もあり、大河ドラマで何度も描かれてきた“お市”の新たなイメージを作り出した。
好きな理由としては、
《容姿と声が美しく、凛とした眼差しが好き》
《信長の妹で強い意志を持っている女性だと思ったから》
《強くて聡明》
《キチッと自分の意見を持った強い女性だから》
《嫁いだ先の旦那様と子供のことを第一に考え、自分の信念をもって行動していた印象》
などの声が。意志の強さと、子どもたちへの優しさが印象的だったようだ。
第2位には、『青天を衝け』の渋沢ゑい(和久井映見)がランクイン。今年7月から“1万円札の顔”となる近代日本経済の父・渋沢栄一(吉沢亮)のお母さんだ。家を出て、武士、官僚とステージをかえていく息子を心配しながら、愛情深く見守る姿は記憶に新しい。
そのやさしさが印象に残っている人が多かったようで、
《方言の感じと、包み込むような優しさがあったのがよかった》
《とても優しく強く、いいお母さんだと思ったので》
《子供の個性を見極めて、適正な導きができる人だから》
《控えめな感じですけど、正しいことはしっかり導く芯の強い母だと思う》
《優しく包容力がある母親だったから》
などの声が寄せられた。
そして見事第1位に輝いたのは、『どうする家康』の主人公・家康(松本潤)の母である於大。松嶋菜々子が演じた。数々の困難に直面しながらも乱世をたくましく生き抜き、“天下人”となる家康を支えたおおらかな母だった。
好きな理由としては次のような声が――。
《戦乱の中でも時には厳しく、時には明るく振る舞う姿が凛々しくもあり、かわいらしさもあって好感が持てた》
《しっかり者で、ユーモアもあり、おもろしろみのあるキャラクターだったから》
《明るくて、愛情にあふれ、時にはなかなか頼りない旦那や子供のお尻もたたく、懐の深く温かい母君だと思いました。演じられた松嶋菜々子さんからその母性を感じられる作品だったと思います》
《とっても素敵でかっこよかったので》
《何が起きても動じない懐の深い心》
凛々しい女性像と、根底にある愛情深さが多くの人を魅了したようだ。
今回のアンケートでは、「やさしさ」「愛情深さ」に加え、「強さ」「凛々しさ」が好きな理由として多く見受けられた。今後の大河ドラマでは、どんな“主人公の母上”が、ストーリーに奥深さをプラスしてくれるだろうか――。