《店内でイヤホンつけるの止めて欲しい》――。今年6月に横浜家系の人気ラーメン店「武道家本店」の店主がXで呼びかけたことで、巻き起こった“イヤホン禁止論争”。
投稿によれば客がイヤホンを着けていることから、ラーメンの好みを尋ねたり、提供時に声をかけたりしても気付いてもらえないという。また、イヤホンを着けた客が動画を視聴しながら食事をしていることから、店の回転率が悪くなるとも苦言を呈していた。
こうした悩みを抱えているのは、他店でも同じようだ。なかには店内のみならず、店に入る直前からイヤホンを外すよう呼びかけているところも。「ラーメン二郎 環七新新代田店」は7月13日、Xアカウントで客のマナーについてこう注意喚起した。
《麺の量の確認とか外道メニューとか豚の確認とか 券売機前が空いたから呼んでも聞こえなくて入ってこないとか 盛り付けを聞いても気付かないとか 後ろを通るお客さんがいるのに気付かないとか 色々よくない感じになるので 入り口付近まで来たらイヤホンは外しといてください よろしくお願いします》
イヤホンを着けていることで店員の声かけに反応できず、周囲の状況も把握できていない客が一定数いるようだ。続く投稿では、《携帯とか本とかを見ながら食べるのもやめてください》とも呼びかけている。
とはいえ“入店直前のイヤホン禁止”への反応は様々で、Xでは賛否の声が上がっている。
《分からなくもない 店の自由だしさ》
《お店がそうならそれでいいんじゃない? 店側も客選ぶ権利あるやろーし》
《悪いがこれはやり過ぎだろう 外の者にイヤホン禁止するべきじゃない》
《これは流石に違うんじゃないの?》
いっぽう同店では来店マナーについて以前からXを通じて呼びかけており、客のイヤホン装着に関しても約8年前から注意喚起していた。
さかのぼること’17年8月には、《お互いの気づかいだけでうまくやりたいんですが ・ずっと喋ってる ・ならび中にタバコを吸う ・イヤホンを外さない ・ラーメンが出てきてるのに携帯や本をやめない…等 ご遠慮ください》と投稿。
’19年8月も《近隣の敷地への立ち入り 路上駐車 おしゃべり イヤホンやヘッドホン 本や携帯を見ながら食べる ならび中の喫煙とポイ捨て 動画の撮影 自分のラーメン以外の撮影 冷蔵庫を勝手にあける だらだら居座る等 御遠慮ください!》と、複数の迷惑行為を挙げていた。
また、店の入り口付近でイヤホンの取り外しを求めるようになったのは、今年に入ってからのようだ。
1月の投稿で《入口の近くに来たらイヤホンとか外しといてください》と呼びかけており、3月にも《入り口付近まで来たらイヤホンとかは外しといてください》と注意喚起。翌4月には、《入り口の近くまで来たらイヤホンとか外しといてください そのまま帰るまで付けないでください》と強く促していた。
どのように食べるかは客の自由かもしれないが、店によっては抱える事情も様々。客であったとしても、思いやりの気持ちを持つことが大切だろう。