(撮影:竹中圭樹) 画像を見る

「最初、監督からお話をいただいたときは、『翔んで埼玉』みたいな作品だったらもういいかなと思って断りました。

 

監督から、織田信長……と言葉が出て、その後に本を読ませてもらってその内容が非常に面白かったのと、監督がボクに求めている織田信長像が“日本史上最高にカッコいい信長”と聞いて、それならできるかもしれないとオファーを受けました」

 

公開中の映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』で、圧倒的な存在感とカリスマ性を放っているGACKT(51)。孤高の織田信長を演じるため、撮影中は共演者と親しくなりすぎず、一定の距離を保つように心がけたという。

 

「役づくりでこだわったのは、捉えがたい空気感をまとうことで。どこを見ているのか、何を考えているのか、敵か味方かさえわからない空気と緊張感をつくり出すことが常に必要だと思い、それを表現していました」

 

『翔んで埼玉』シリーズの武内英樹監督と再タッグを組んだ本作。何よりも大事にしたことは、監督のリクエストに応えること。

 

「ボクがどうしたいかではなく、監督がボクにどうしてほしいのか、それに応えるのがボクの仕事です」

 

そして、信長といえば、「人間五十年」で始まる敦盛の舞が見せ場の一つ。

 

「信長という人は、舞を通して言葉に込められた思いを伝えたかったのではないかと解釈し、能の枠に収まらない、信長らしい表現をつくりました。ある種、和風のコンテンポラリーダンスのような動きになったかなと」

 

世間に流されやすい現代人に向けたメッセージも込められた本作だが、GACKT自身が現代人に訴えたいこととは?

 

「知りたい情報はすべてネットにある現代。行動すればどんなことでも調べられるのに、影響力のある人たちの言葉を鵜呑みにするのは昔となんら変わっていない。それでいて、何かあれば責任を人に押し付けて、その考え方自体が自分を不幸にするというのを自覚すべきじゃないですか?

 

この国をよくしたかったら、一人ひとりが変わらなければいけないということに気づいてほしいです。ひいては自分の生活に返ってくるわけですから」

 

■映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』公開中

2020年コロナ禍の日本。首相官邸でクラスターが発生し、内閣が崩壊。政府は、AIにより日本史上に輝く偉人たちを復活させ、最強内閣をつくるという前代未聞の計画を実行。徳川家康を総理大臣とする内閣が誕生する。

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