10月24日に行われた「2024年プロ野球ドラフト会議」。“20年に一人の逸材”と呼び声の高い明治大学・宗山塁選手は5球団が1位指名し楽天が、“大学球界ナンバーワン”と評される関西大学・金丸夢斗選手は4球団から1指名を受け中日が、それぞれ交渉権を獲得した。
実績十分なドラフトの目玉である宗山、金丸両選手と同等以上に、注目を集めた“有名二世”が――。西武、巨人などで活躍した清原和博氏(57)の長男である慶応大学・正吾選手だ。
当時6歳だった08年10月に和博氏が現役引退し、小学3年生から父の背中を追って軟式野球を始めるが、14年に両親が離婚。その後は中学でバレーボール部、高校ではアメリカンフットボール部に所属し、野球とは距離を置いた。さらに和博氏は16年に覚せい剤取締法違反で逮捕されることに。
しかし、その後更生して社会復帰した和博氏への“エール”も込めて大学で再び野球の道へ。6年のブランクを埋めるのは簡単ではなかったが、血の滲むような努力をし、大学4年の春には4番としてレギュラーの座をつかみ、秋季リーグ戦では2本の本塁打も放つなど活躍を見せた。
一時代を築いた“清原和博”の長男というネームバリュー、ブランクを経て名門でレギュラーを勝ち取るといった抜群のドラマ性も手伝い、ドラフトでも屈指の注目を集めるも、ドラフトでは無念の指名漏れに終わった。
そんな正吾選手を、民放キー局で唯一ドラフトを生中継したTBSも大きく取り上げた。24日午後4時40分から3時間以上にわたって特番を放送し、第1部はドラフト会場からの生中継、第2部は『THE運命の1日』と題し、上位指名が予想される目玉選手などを深堀りする内容だった。
正吾選手は第2部中盤で登場し、幼少期に和博氏と遊ぶ貴重映像や独占インタビューを交えながら大々的に取り上げ、トータル約15分にわたって特集されていた。
知名度を考えれば当然ではあるのだが、この取り上げ方が野球ファンから不評を買っているのだ。X上ではこんな声が並んだ。
《おいおい清原Jr.指名漏れかい TBSの取り上げられ方と乖離あんな 社会人か独立か就職かしらんが選択肢は無限やからどの道でも頑張れ》
《1順目はtbsで見てたんだけど、まさかその後ドラフトの中継をせずに延々とVTRを流しててビックリした。。清原の息子なんて指名される確率低いのに長々と放送してるし。改めて民放の質の低さに呆れた》
《TBSはドラフト会議っていう名の番組やってるけど、ドラフト会議を映さないで何を映してるの?清原くん特集なら会議中のリアルタイムでやる必要なくない? せめて選挙特番みたいにワイプ出してくれないかな》
《みんな清原にも清原の息子にも怒ってないの クソみたいに持ち上げるというか話題性だけで尺を使うTBSかすごく嫌いなんだ》
《TBSドラフト中継 清原がまだ指名されていないとか 3巡目辺りで言うとか 他の選手に失礼すぎるだろ。 現状の実力だけで判断したら 育成契約すら微妙なのに》
スポーツ紙記者は言う。
「正吾選手は、今年の春季リーグで初めてベストナインに選ばれるなど活躍はしていたものの、宗山選手や金丸選手といった他の有力選手と比較すると、実績が乏しいことは否定できません。育成指名を受けれるかどうか瀬戸際という下馬評だったので、指名漏れにも驚きはありません。
しかし、TBSのドラフト特番では、目玉候補のように取り上げており、特集した時間も宗山選手や金丸選手らとほぼ同じかそれ以上でした。テレビ局として話題性のある選手を大きく取り上げることは問題ありませんが、そうした下馬評から“過剰”と感じた野球ファンが多かったのではないでしょうか」