近年、Netflix、Amazon Primeなどに代表される定額制の動画配信サービスが制作するオリジナルドラマの台頭が目覚ましい。潤沢な予算と独自の制作スタイルによって数々のヒット作が次々と生み出され、いまや地上波ドラマを凌ぐ勢いだ。
今年は人気漫画やゲームが原作の実写化作品のほか、オリジナル脚本の作品も目立った。俳優の賀来賢人(35)が原案、プロデューサーを務めたNetflixドラマ『忍びの家 House of Ninjas』は、非英語作品のNetflix全世界週間ランキングで1位を獲得するなど、海外からのファンも多く獲得。女子プロレスラー・ダンプ松本(64)の半生を描いた『極悪女王』(Netflix)は、主演のゆりやんレトリィバァ(34)の熱演とともに大きな話題を呼んだ。
では、そんなネットドラマの中で今年視聴者からもっとも支持されたのは一体どの作品だろうか。そこで本誌は20~60代の男女500人を対象に、今年配信されたドラマの中で「面白かった」と思われている作品について調査した。
まず第3位にランクインしたのは、『SHOGUN 将軍』(Disney+)。
同作は、天下分け目の「関ヶ原の戦い」前夜を舞台に、戦国武将たちの陰謀と策略が渦巻く戦国スペクタクルドラマだ。『トップガン マーヴェリック』の原案者であるジャスティン・マークス氏が製作総指揮をとり、主演を務めた真田広之(64)がプロデュースを担当したことでも注目を浴びた。
今年9月にはアメリカのテレビ界最高の栄誉とされる「第76回エミー賞」で作品賞、日本人初となる主演男優賞(真田)、主演女優賞(アンナ・サワイ)など、ドラマシリーズの主要部門を総なめし、当時史上最多となる18部門を制覇するなど、世界的な成功を収めている。
アンケートでは特に真田の演技力を高く評価する声が多く、他のキャストやスタッフ陣を含め衣装や小道具など、細部に渡るまで豪華だった点も視聴者の心を掴んだようだ。
《内容、映像共に魅力に溢れていて面白かったから》
《真田広之の迫真の演技に感動した》
《歴史嫌いの夫も楽しんでみていたので、私もみてみたら、のめり込んでしまったから》
《真田さんのサムライ姿に惚れ惚れしてしまいました…。演技がカッコよかったです》
第2位に選ばれたのは、『【推しの子】』(Amazon Prime Video)。
原作・赤坂アカ氏と作画・横槍メンゴ氏による大ヒット漫画の実写版で、物語の主軸となるアイドル・星野アイに元乃木坂46の齋藤飛鳥(26)が抜擢されたことでも盛り上がりを見せた。Amazonと東映がタッグを組んだ実写映像化プロジェクトとして、ドラマシリーズは今年11月からAmazon Prime Videoで全8話を配信。ドラマの続きとなる映画『【推しの子】 The Final Act』は、12月20日に公開された。
主人公の青年アクア(櫻井海音)が、自身が大ファンだったアイドルのアイ(齋藤)の子供として転生するというファンタジーな設定でありながら、ショッキングな描写をいとわないサスペンス要素のほか、芸能界の闇に切り込むシーンも。巧妙なストーリー展開を評価する声が多くあがっている。
《あり得そうであり得ない設定の面白さ》
《原作に忠実に再現されていた》
《アニメと違って感情が分かりやすくて楽しめる》
《転生もののなかで、まさか推しに転生する設定とその人間関係そしてその後の結末。二転三転する話の面白さに引き込まれました》
そして唯一の100票以上を獲得し、圧倒的1位に選ばれたのは『地面師たち』(Netflix)。
新庄耕氏の同名小説が原作で、綾野剛(42)と豊川悦司(62)のダブル主演で実写化が実現。土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く物語だ。
ピエール瀧(57)演じる関西弁の地面師が交渉を早く切り上げたり、ピンチを切り抜けたりする場面で使用するセリフ「もうええでしょう」が今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10にノミネートされたことでも話題となった。
同作は17年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルにしており、そのリアリティやキャスト陣の迫真の演技を絶賛する声が目立った。
《実際にあった事件を元にしているし俳優陣も豪華で面白かった》
《評判の作品なので見ましたが、配役も含め、本当にピッタリでドラマを見ているというより、ドキュメンタリー感覚の内容で心ひかれました》
《俳優陣の演技力が最高だった。ストーリーもハラハラドキドキで一気に見られた》
《怖いながらも未知の世界を描いた作品 出演している俳優が個性的で大物ばかりで 話自体が面白い》