「20年ぶりに白馬に乗って海岸を走りましたよ(笑)。最初は緊張しましたが、いざ走りだしたら自然に体が動いて、昔の感覚にすぐに戻れました」
’78年から’03年にかけて放送され、日本のドラマ史に名を刻むヒットシリーズとなった松平健(71)主演の『新・暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)が’25年1月4日21時~、17年ぶりに復活する。
「今回、お話をいただいたときは本当に驚きましたし、すごくうれしかったですね。ずっと復活を熱望していたけれど、本当に実現するとは思っていなかったんです。東映京都撮影所で迎えたクランクインは、久々の撮影に心が躍りました。ブランクを感じることなく、すんなり役に入れたのも、気持ちとしてはシリーズ放送当時と変わっていないからかもしれないですね」
松平演じる徳川吉宗が貧乏旗本の三男坊・徳田新之助、通称“新さん”として庶民の暮らしにまぎれながら江戸にはびこる悪を討つというシリーズの世界観は変わらず。新作では、還暦を控えた吉宗が世継ぎ問題に直面する。
「子に見せる父親としての愛情や苦しみなどこれまでにない要素も加わり、とにかく脚本が面白い。若い女性がイケメンに貢いでしまって借金を抱えるといった現代的な要素も入っていて、若い世代の方にも楽しんでもらえると思います」
なかでも、嫡男・家重を演じる西畑大吾(なにわ男子)との立ち回りのシーンは見どころの一つだ。
「私自身、常々、舞を舞うような殺陣というのを意識してきましたので、今回、西畑さんとの剣を交えるシーンでも、流れるような立ち回りというのをアドバイスさせてもらいました。やはり、若い人は運動神経がいいですし、太刀さばきも大したものですよ」
また、北島三郎や堺正章が演じてきため組の辰五郎役には生瀬勝久、その妻役で、かつて吉宗の御庭番を演じた高島礼子が花を添える。
「生瀬さんの辰五郎は男っぽい感じで、北島さんを意識したのかな。また高島さんは、私の顔を見るとすぐにひざまずいちゃって、立って芝居をしないんですよ。『身についちゃってまして』と言って(笑)」
デビュー50周年を迎えた’24年、NHK連続テレビ小説『おむすび』で朝ドラ初出演を果たした松平。「ホームドラマをやってみたかった」と目を輝かせる。
「マツケンサンバが再ブレークしたり、『暴れん坊将軍』を舞台でもやらせてもらったり、と本当に今年は充実した一年でした。われわれ役者は、お客様に楽しんでもらおうと思って一生懸命芝居をして、歌を歌いますが、拍手や声援をいただくことで逆にパワーをもらって、また次も頑張ろうと思うんです。いま、71歳ですからね、本当に一年、一年、無事、健康で過ごせることがいちばんですね」