船を運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」の幹部ら(写真:時事通信) 画像を見る

3月16日に沖縄県・名護市辺野古沖で発生した小型船2隻の転覆事故。同事故によって、平和学習の一環で「平和丸」に乗船していた同志社国際高校2年生の武石知華さん(17)と「不屈」の船長だった金井創さん(71)の2名が亡くなった。

 

いまだ全容解明には至っておらず、痛ましい事故を引き起こした運航元と学校側には厳しい視線が注がれている。

 

船を運航していたのは、名護市に拠点を置く「ヘリ基地反対協議会」。普段は米軍普天間飛行場の辺野古移設に対する反対運動などを行なっている市民団体で、転覆した2隻は抗議活動にも使用されていたという。

 

「亡くなった金井さんは10年以上船長を務め、学校などの依頼を受けて年に数件ほどボランティアで運航していたといいます。今回の運航は抗議活動ではなく、海上から建設基地の現場を見学する目的だったとされています。しかし事故によって、同団体が海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことが判明。

 

また、事故当時は現場海域に波浪注意報が出ていたものの、学校側は出航判断を船長側に一任。引率の教員も乗船していなかったことが明らかになり、文科省は学校に職員を派遣するなどして調査を進めています」(全国紙記者)

 

事故発生から1カ月半あまりが経過したが、5月2日に知華さんの姉が「note」につづった“訴え”が注目を集めている。

 

「note」では《知華が確かにここにいて、笑って、悩んで、楽しみにしていた日々を、姉として少しずつ残していきたいと思います》とし、姉妹で過ごした思い出や最愛の妹を亡くした喪失感が克明につづられていた。

 

そして、投稿の締めくくりとなる最後の段落では、《知華のことを正しく伝えるために》と題して悲痛な思いがこう記されていたのだ。

 

《父がこのnoteを開設した目的の一つに、知華のことを正しく伝えることがあります。知華は、誰かの主張のために沖縄へ行ったわけではありません。沖縄戦の歴史や経済、文化を勉強し、メイクや服装に悩み、お友達と沖縄へ3泊4日の旅行に行くことを楽しみにしていた、一人の女の子でした》

 

《沖縄のテレビや新聞では、ほとんどこの事故の報道は無いと聞いています。もしかすると、知華は抗議活動に参加していたと、まだ思われているかもしれません。SNSにあまり触れない沖縄の年配の方々にも、知華の本当の姿を知っていただきたく、私たちの note のことを伝えていただけると嬉しいです》

 

また、遺族の「note」では、4月1日の投稿で《私は当日まで、知華が「抗議船」に乗ることなど全く知りませんでした》《知華自身も、このコースの背景をほとんど理解していなかったようです》と記載されていた。

 

知華さんは家族に辺野古のコースを選んだ理由を問われ、《「美ら海水族館に行きたいんだけど、美術館で怖い絵を見るよりかは、お友達と綺麗な珊瑚礁を見る方が楽しそうじゃん」》と話していたという。

 

しかし遺族の思いに反して、事故と抗議活動を結びつけるような発言や発信も散見されてきた。

 

沖縄タイムス社が発行した5月1日付の朝刊では、事故を取り上げた読者の投書に《天国から二人の声が聞こえてくる。『誹謗中傷にめげず、抗議行動を続けてほしい』と》の一文が掲載されていた。故人の意思を断定するような表現に批判が噴出し、同社は3日付の朝刊で「本紙の編集過程の確認作業が不十分だった」として謝罪文を掲載した。

 

前出の全国紙記者は言う。

 

「こうした事例は、事故発生直後からありました。例えば、3月17日に『産経新聞』のインタビューに応じた抗議活動の関係者は、亡くなった知華さんに対して『思いはきっと、“辺野古のこんな無謀な工事はやめてくれ”という意味で辺野古に来ていただいたと思う』とコメント。

 

同月19日に行われた国会前デモでは、社民党の元幹事長・服部良一氏(76)が行なったスピーチも問題視されていました。服部氏は事故と普天間基地の移設工事を結びつけ、『埋め立てるのが悪い。こんなことをしなければ事故は起きなかった』などと発言。SNSなどで、“事故原因を移設工事に転嫁するな”と批判が寄せられていました。

 

そもそも今回の事故は、ヘリ基地反対協議会や学校側の杜撰な安全管理体制が問題視されています。抗議活動や移設工事などと結びつけることが不適当なのは、遺族の発信からも明白でしょう。なおかつ、遺族の発信やヘリ基地反対協議会に対する批判を“政治利用”することも、決してあってはならないはずです」

 

Xでは知華さんの姉がつづった「note」を読み、胸を打たれたという人が続出。尊い命が失われた痛ましい事故が“政治利用”されることに対して、異論を呈する声が広がっている。

 

《亡くなった人を政治利用するな!》
《知華さんを政治利用するなんてひどすぎる》
《「知華は、誰かの主張のために沖縄へ行ったわけではありません」 ご遺族がこの一文をわざわざ入れることが事の異常さを物語っている》

 

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出典元:

WEB女性自身

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