《母に、「もうこれ以上は協力できない」と伝えたところ、私自身を深く傷つける言葉を向けられました。その後、父や姉にも連絡をしましたが、私の中ではもう、家族との関係に区切りをつけるしかないという結論に至り、戸籍を抜く決意をしました。約6年前のことです。》
モデルでタレントのマリエ(39)が、7月15日に配信されたWEBメディア「Hint-Pot」のインタビューで、家族との“絶縁”を明かしたことが話題を呼んでいる。
父はフランスの自動車用オイル輸入代理店の元社長で“石油王”と呼ばれ、母は元客室乗務員でサロンを経営しているというセレブすぎる両親の元に生まれたマリエは、子どもの頃からモデルとして活動し、2000年代にバラエティ番組でブレーク。一時はテレビやラジオを合わせて週9本ものレギュラーを抱えていた。
多忙を極めたせいか、10代で発症した摂食障害が悪化し、仕事をセーブ。2011年に23歳で米ニューヨークのパーソンズ美術大学の社会人向けコースに留学した。その後、ファッションブランドを立ち上げ、芸能界からは事実上引退。現在はデザイナー兼経営者としてメキシコと日本の二拠点生活で活動している。
その間、実生活の上で“家族と完全に決別する”という意思表示として、自ら戸籍を分ける「分籍」の手続きを行っていたことを明かした。
トラブルの詳細は語られていないが、WEBメディア等によると両親とは10年以上連絡を取っていない状態で、両親との仲介役だった二番目の姉のLINEも数年前からブロックしているという。
分籍とは現在の戸籍から抜けて新しい戸籍を作り、自ら戸籍の筆頭者になること。親の同意や許可は必要なく18歳以上の本人のみが届け出ができる。ただし、分籍しても法律上の親子関係や相続の権利はそのまま残る。
結婚すると原則として親の戸籍から抜けて夫婦で新しい戸籍を作るため、もとの戸籍から除籍(または一部除籍)となる。マリエはパートナーとの間に2022年10月に子どもが生まれたが、事実婚という形をとっていたので、親の戸籍に入っていたのだ。
「親との縁を切りたいと思って分籍をしてもあまり意味がありません」と、指摘するのは、DVやモラハラ問題に詳しい弁護士法人テミス法律事務所の代表弁護士・柴田収さん。
「自ら戸籍を抜く『分籍』という行為は、親から離れることで精神的に楽になるだけで、あまり意味がありません。もし親が毒親のストーカー気質で子どもの居所を突き止めようと思ったら追跡できるからです。
また、分籍をしても法律上の親子関係や相続の権利はなくなりませんので、親が死んだ後、相続する財産があった場合、兄弟姉妹などの相続人全員で話し合って決めなければなりません。家族の場合、どうしても縁を切るというのは困難なのです」(柴田さん、以下同)
直系親族である親が、分籍した子どもの「戸籍の附票」を請求すれば、子どもの現在の住所がわかる。子どもが結婚や分籍をして別の戸籍に入っている場合や本籍地を何度も変更(転籍)している場合は、現在の戸籍の附票では住所をたどれないことがある。その場合でも、「除附票」などを利用してさかのぼって請求すれば居所を突き止めることができるという。
「実際に毒親から逃れるために分籍しても、親に居所がバレてしまうというお子さんの相談に乗ったことがありました。お子さんは分籍すれば親との縁が切れると思っていたのですが、親は戸籍の除附票を請求してどこまでも追跡してきたのです」
親のストーカー行為から身を守るためには、法律的に縁を切ることは無理でも事実上、居所を知られずに生活できる制度がある。分籍とセットで柴田さんが勧めているのが「DV等支援措置(以下、支援措置)」だ。
支援措置とは、DVやストーカー行為、児童虐待などの被害者の住所を加害者に知られないように、住民票(除票を含む)や戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付、住民基本台帳の一部の写しの閲覧や申し出があっても制限をかけること。
支援を受けるためには警察などの公的機関に相談後、住まいの自治体の窓口に行き、申請手続きを行う。有効期間は1年で継続には毎年更新の手続きが必要となる。
「配偶者やパートナーからDVを受けている人や親から虐待を受けている子どもが対象で、18歳以上の成人は支援措置の対象外だと思われていますが、毒親や家族からの被害に遭っている成人の子どもも申出者の対象になります」
総務省のホームページによると、申し出の対象者は①配偶者暴力防止法(第1条2項)に規定する被害者であり、かつ生命等に危害を受ける恐れがある人。②ストーカー規制法(第6条)に規定するストーカー行為等の被害者であり、つきまとい等をされる恐れがある人。③児童虐待防止法第2条に規定する被害者。④その他、前記に準ずる場合の被害者、となっている。
仮にマリエが親から言葉などの精神的暴力を受けていた場合④に当てはまるので、支援措置を申請すれば、親による追跡をまぬがれることができる。
これに出生届・死亡届・婚姻届・離婚届など戸籍届書に記載されている住所と電話番号などの連絡先を黒く塗りつぶすマスキングの申入れを分籍と同時に自治体に申請しておくと、利害関係者が特別な事由で書類を請求できたとしても、連絡先を知られることはない。
さらに親の死後、兄弟姉妹と相続で関わりたくない、というのであれば、親が亡くなった後、家庭裁判所で相続放棄(相続開始を知ってから3カ月以内)をすれば、最初から相続人ではなかったことになり、遺産分割協議にも参加する必要もなくなる。
《戸籍は抜きましたが、家族への愛がなくなったわけじゃないんです。》
マリエはインタビューの中で、揺れ動く心境も吐露していた。時を経て和解できたとしても、一度分籍したら元の親の戸籍には戻れない。
悪化した親子関係が氷解する時は来るのだろうか――。
画像ページ >【写真あり】“セレブ”タレントのがっつりタトゥー姿、きわどい奔放投稿など(他8枚)
