7月28日に最大震度7の激震が襲った熊本市内の被災地を、高市早苗首相が8月3日に視察した。
視察後の会見では「政府としてやれることは、すべてやる」と表明、さらに「予備費から200億円超を支出する」「今回の地震を『激甚災害』に指定する意向」と語ったが、なぜか批判の声が殺到している。
「視察前日の8月2日には、車中泊避難をしていた70代の女性が、熱中症の疑いで死亡したことがわかりました。木村敬熊本県知事は『初めての災害関連死の疑いがある事例』と発表、被災者たちに衝撃が走りました。
熊本県などによると、8月4日午前7時30分時点で、避難所150カ所に8222人が避難をしているということですが、酷暑に見舞われるなか、場所によってはエアコンもない、ベッドもないという過酷な状況での避難生活が1週間も続いていますから、政府に対して批判が出るのも仕方がないことでしょう」(災害担当記者)
高市首相は避難所視察を前に、自衛隊のヘリコプターに乗り、爆発が発生した『イオンモール熊本』や煙突が倒壊した『日本製紙八代工場』などの状況を上空から視察。機内で合掌する写真が内閣広報官のXに投稿されたが、これにも《ヘリから見下ろす形で手を合わせるとかどんな神経してんだ》《現場で手を合わせろ》と非難轟々だった。
その後、高市首相は同県氷川町の避難所を訪ねたものの、冷房完備の部屋で同行した閣僚や地元町長らと打ち合わせや会議をしたため、《何故体育館に行かなかったのですか。体育館で寝泊まりしてる人達の声は聞かないのですか》《過酷な避難所、車中泊で避難している人たちはスルー》と批判されてしまった。
「さらに避難所の視察に費やした時間も短かったのではないかと指摘されています。
首相動静によれば、『15時13分 同県氷川町の同町および八代市中学校組合立氷川中学校。避難所を視察。21分 藤本一臣氷川町長』となっていますから、避難所そのものの視察は8分だったことになります」(永田町関係者)
SNSでの批判に対して、内閣広報官はXで《一部SNSで事実と全く異なる情報が流れていますが、高市総理が氷川町の避難所に到着し視察を開始したのは、午後3時13分。視察を終えて避難所を出発したのは、午後4時4分です。避難所視察は51分間ですので、お伝えします》と説明したが、これは「意見交換」も含めた滞在時間だと思われる。
また、このタイミングでの被災地視察には、政府内でも反対する声があっていた。
「首相が現地入りすると、警備のための人員が必要となりますし、車の通行も制限されます。災害復旧の妨げにもなりますから『時期尚早』という意見が出ていたのです。
被害が大きかった宇城市などを地盤とする金子恭之国土交通相も視察に同行しましたが、発災当初、Xでユーザーから《金子国土交通大臣は、被災地に入らないのですか?》と問われ、《私も当然行きたい気持ちは人一倍です。ただ、災害の際の原則は、被災現場を混乱させない事 被災現場で必死に人命救助や復旧作業に取り組んでいる方々の作業を中断させない事》と苦しい胸中をつづっていました」(政治部記者)
その思いが極まったのか、被災者との意見交換が終わり、高市首相らが会議室を退出してもなお、金子国交相はその場に残り、被災者の手を握りながら時間ギリギリまで声をかけていた。
「目にはうっすら涙が浮かんでいるようにもみえました。その様子はニュースで流れましたが、被災者の心に訴えかけるものがあったのでしょう。高市さんへの批判は殺到していても、金子さんへの批判はSNSにもほとんどありませんでした」(前出・永田町関係者)
金子国交相の政治信条は「地域の繁栄なくして国の繁栄なし」だという。今は挙国一致で地域復興に取り組まねばならない。
画像ページ >【写真あり】高市首相“株下げ”の傍らで、評価を挙げた大臣(他2枚)
