7月28日に熊本県で最大震度7の地震が発生してから、8日が経過した。しかし、最高気温35度を超える猛暑日が連日続いており、被災者たちは過酷な避難生活を余儀なくされている。
「県災害対策本部によれば、8月4日午後2時時点で県内の避難者は約7600人。住宅被害は約1万3000棟、断水は約4万4000戸とされています。各地区で復旧作業が急がれるいっぽう、被災地では熱中症による救急搬送も報告されています。2日には、車中泊避難をしていた70代の女性が、熱中症疑いで死亡したことが明らかになりました。各避難所ではエアコンや簡易ベッドの設置が急ピッチで進められていますが、厳しい暑さや疲労で体調を崩す人も増えているといいます」(社会部記者)
高市早苗首相(65)は3日に被災地を訪れ、ヘリコプターに乗り、爆発事故が発生したイオンモール熊本や煙突が倒壊した日本製紙八代工場などを上空から視察。氷川町の避難所にも足を運び、被災者との意見交換で「(国が)やれることは、全部やるつもりでまいりました」と声をかけていた。
首相官邸は同日午後11時半すぎに、XなどのSNSアカウントで高市氏が被災地を視察する様子をまとめた動画を公開。しかし、防災服を着た高市氏がヘリコプターから被災地に向けて両手を合わせたり、動画にBGMが付されたりしていたことから、“プロモーションビデオのよう”という批判の声も散見されていた。
そんななか、SNSの運用をめぐって、冷ややかな視線が注がれている人物がもう1人――。それは現在、中南米を訪問中の茂木敏充外相(70)。
「8月2日から9日にかけてメキシコ、パナマ、エクアドルを外遊し、情勢次第ではトリニダード・トバゴの訪問も予定されています。米国とイランの対立で中東情勢が緊迫するなか、中南米諸国とのエネルギー安全保障の強化やサプライチェーンの強靱化に向け、各国の政府要人との意見交換に臨んでいます」(政治部記者)
日本を発つ直前の7月31日に行われた茂木氏の記者会見では、記者から台湾や米国が熊本地震の支援表明していることへの対応を問われる一幕があった。茂木氏は「被災をされました多くの皆さんに、心からお見舞いを申し上げたいと思っております」と前置きし、すでに80以上の国・地域・国際機関からお見舞いのメッセージが寄せられたとして感謝の言葉を述べていた。
この会見では、「1日も早い復旧復興に全力で取り組みたい」とも語っていた茂木氏。だが、メキシコ訪問中の4日正午すぎにXで公開した動画が、一部ユーザーから反感を買っているのだ。
茂木氏は《外国出張中のコーヒーブレイク動画を楽しみにしているという声をいただきます》とし、《今回はメキシコのコーヒーをご紹介します。メキシコの後はパナマ、エクアドル、トリニダード・トバゴを訪問し、日本外交のためにしっかり頑張ってきます》と投稿。
添えられた1分あまりの動画では「高地なので夕方は少し肌寒い感じがします」と現地の状況を伝え、素焼きの鍋で煮出す「カフェ・デ・オジャ」と呼ばれるメキシコの伝統的なコーヒーを紹介。オレンジとブルーのカラフルなマグカップに注がれたコーヒーをひと口飲むと、「コーヒーというより、ちょっと甘いね、かなり」「でも美味しい」と感想を述べていた。
茂木氏は動画終盤で「最後までしっかりと日本外交のため、頑張りたいと思います」と締めくくり、コメント欄には《とってもおいしそうですね!》《オジャ、素敵なカップですね》と好意的な声が。しかし“空気を読んで”と感じたユーザーもいたようで、次のような厳しい声も寄せられているのだ。
《ずいぶん優雅な時間過ごしてますな。熊本はそれどころじゃないでしょうに》
《この投稿、少し前のものが表示されたのかと思って見たら8月4日って…熊本の被災地で、まだまだ劣悪な避難生活を強いられているときに投稿する?周りの人も何か言わないの?》
《熊本の被災地ではお風呂もろくに入れない人達、飲水、食料が足りない人達がまだ大勢いるんだよ。こんな胸糞悪い動画出てんじゃないよ》
《どこでどんなコーヒーを飲んでいてもいいのですが、被災者もみているSNSにわざわざ あげなくていいと思う。想像力、共感力の欠如》(すべて原文ママ)
前出の社会部記者は言う。
「茂木氏は今年に入ってからもカタールやインド、トルコなど外国を訪れる度に、SNSで現地のコーヒーを紹介してきました。普段なら全く問題ありませんが、今回の動画投稿は熊本地震の発生からちょうど1週間にあたるタイミングでした。被災地では酷暑に加えて断水も続き、エアコンがない避難所も多い。ほとんどの被災者は、茂木氏のようにホットコーヒーを楽しめる状況にはないでしょう。
外務省は30日に更新したXで、茂木氏からのメッセージとして、被災者へのお見舞いの言葉や外国や国際機関からの支援表明に対する感謝の気持ちをつづっています。茂木氏本人もこの投稿をはじめ、首相官邸や内閣府による災害に関する投稿をリポストしていますが、多くのユーザーには伝わっていないのかもしれません。
自身が登場するコーヒーブレイク動画の方が目立ってしまい、日本にいる人々との温度差が浮き彫りになってしまったようです。ホルムズ海峡の閉鎖が続くなか、閣僚として重要な外交に取り組んでいることは伝わりますが、被災者も目にするSNSの発信はもう少し慎重になってもよかったではないでしょうか」
メキシコの次はパナマ、エクアドルと外遊が続くが、コーヒーブレイク動画はいったんお休みとなるだろうか。
