飲食料品の消費税率を2年間に限って8%から1%に引き下げる方針を表明した高市早苗首相(写真:共同通信) 画像を見る

「食料品の消費税率を2年間限定で引き下げるという高市首相の方針には反対です」

 

政府は5日の臨時閣議で、飲食料品の消費税率を来年4月からの2年間に限り、現行の8%から1%に引き下げる方針を決定した。9月に税制改正大綱を決定して、秋に開かれる臨時国会に関連法案を提出することになる。

 

これまで高市早苗首相(65)の盟友として、長年、自民党内で消費税廃止を唱えてきた積極財政派の論客、参議院議員の西田昌司氏(67)を直撃。なぜ高市首相が掲げる今回の消費税減税の方針に反対の立場を示したのかを聞いた。

 

「そもそも消費税というのは“欠陥税制”なんです。私は廃止もしくは恒久的な減税こそが本来あるべき方向性だと、一貫して主張し続けています。だから消費税減税には賛成なんです。

 

ところが今回の案は、食料品の消費税を2027年4月から“2年間限定”で1%に引き下げる。つまり、2029年の4月からまた8%に引き上げるという話。

 

消費税を下げたり上げたりすると国民や事業者に混乱をもたらすだけで、本質的な解決にはならない。まずは消費税廃止に向けた税制全体の抜本的な議論をすることが必要で、2年後にまた税率を元に戻すなんて、明らかに方向性が間違っている。だから今回の方針には反対しているんです」

 

先月、高市首相は、消費税減税の方針を表明した会見で、「2年後には、私が責任を持って確実に税率を元に戻す」と発言。そして最も重要な減税財源について明確に示すことがなかったことから、自民党内では、石破茂前首相(69)をはじめ、河野太郎元デジタル大臣(63)、稲田朋美元防衛大臣(67)ら、有力議員たちからも反対論が相次いだ。

 

「自民党内の反対意見の中には、高市首相の方針通りに消費税減税を実施した場合、2029年4月には再び消費税が8%に“増税”される。その前年の2028年の夏には参議院選挙が行われるので、自民党候補者は“増税ありき”で、“増税反対”の野党と選挙戦を戦わなければならなくなるため、次の参院選で改選となる中堅参議院議員たちは、かなり焦っています」(全国紙政治部記者)

 

与党・自民党が懸念する背景には、過去に消費税増税に関わった時の政権が、選挙選で惨敗し、内閣退陣、下野に追い込まれてきた歴史がある。

 

1997年、自民党・橋本龍太郎首相(当時)は、消費税の税率を5%引き上げた翌年の参院選で惨敗し、橋本内閣は退陣。

 

2010年、民主党・菅直人首相(当時)は、参院選前に消費税率10%を検討すると発言したことで、選挙で大敗。

 

2012年、民主党・野田佳彦首相(当時)は、当時野党だった自民、公明との3党合意を受け消費税を10%まで2段階で引き上げる法律を成立させた。だが、同年の衆院選で民主党は歴史的大敗を喫し、下野した。

 

つまり消費税率の引き上げは、時の与党にとってはまさに「鬼門」なのだ。

 

「2年間限定の消費税減税をこのまま突き進めれば、次の参院選は大敗する可能性がある。現状でも参議院は少数与党なのに、もし議席がさらに減るようなことになれば高市首相の求心力にも影響を及ぼしかねない。もっといえば、参院選前にある来年の統一地方選挙、その後秋に行われる自民党総裁選挙の時点で“大政局”になっているかもしれません」

 

と、前出・西田氏は警鐘を鳴らす。では、打開策はあるのか。

 

「“2年間限定”という期限を撤廃すること。とりあえず食料品を1%に引き下げたうえで、その2年の間に、消費税廃止を含む恒久的な減税方針を策定するのです。

 

たとえば、消費税減税の財源は法人税の引き上げをセットにする。同時に投資減税を導入し、企業の設備投資を促進させる。利益が出ている企業は法人税増税を避けるために、先行投資を行うインセンティブが生まれるはず。そうなると投資拡大によって経済は活性化し、結果的に税収全体は減少せず、むしろ増収が見込めます」

 

自民党内で消費税廃止を訴え続けてきた“盟友”の忠告が、高市首相に届くだろうか。

 

画像ページ >【写真あり】「今回の方針には反対している」と苦言を呈する西田昌司参議院議員(他4枚)

出典元:

WEB女性自身

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