《私が勤めていたBS11ではニュースではBGMを使わないスタイルでした。当時の上司の鈴木哲夫さんが、事件や事故や災害で傷ついた人がいるのに音楽をつけて煽りはするべきでないと。》
8月4日、前衆院議員・石川香織氏のXに、このような投稿があり、8月6日12時現在で25万を超えるインプレッションが記録されている。
「大地震に見舞われた熊本県の被災地を高市早苗首相が訪問した際の映像に、ピアノのBGMがついていたため、SNSでは《プロモーションビデオのようだ》と批判されました。石川さんはそのことを念頭に投稿したようです」(政治記者)
ここに登場する「鈴木哲夫さん」とは、『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(TBS系)、『旬感LIVE とれたてっ!』(フジテレビ系)などの情報番組で政治・事件のコメンテーターとして出演するジャーナリストの鈴木氏だ。
鈴木氏は、テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部を経て、2007年に日本BS放送(BS11)の設立メンバーになり、同社の報道制作局長を務めた。
石川氏は同局の採用第1号アナウンサーで、鈴木氏がキャスターとして出演した報道番組でサブキャスターを務めたという。鈴木氏に、石川氏の投稿について話を聞いた。
「共演時に、『人の生死に関わる報道では、BGMをつけたり、過剰な演出をするべきではない』という私の考えや映像制作の方針を、石川さんに伝えました。それを覚えていたんですね」
報道記者・ジャーナリストになって45年の鈴木氏は、高市首相の被災地視察動画をどのように観たのだろうか。
「『プロモーションビデオじゃないか?』という批判が多いですけど、そもそも私は『あの動画はプロモーションビデオだ』と思っています。
動画の制作サイドも、高市首相のPRの一環として作り、官邸内でもPRという認識があったからこそ、あの作り込みでチェックが通ったのだと思います。
高市さんは一国の首相です。そして、被災地では多くの人の命が関わっています。『その現場に行って視察しました』ということを国民に報告する動画であるなら、BGMをつけるという発想にはならないはずです。
さらに首相の仕事というならば、たとえば音楽ではなく、災害現場や避難所など現場の音を生かし、いま被災地はどうなっているのか、現実を伝える手法もあったでしょう。
今回のことで、SNSも含めて『首相が発信する』ことがどういうことなのか、改めて考える契機になったのではないでしょうか」(鈴木氏)
教訓として生かされることを願いたい。
