『豊臣兄弟!』に丹羽長秀役で出演中の池田鉄洋 画像を見る

「『トリック』シリーズは、2005年のスペシャルドラマからの参加。当時は売れない舞台俳優で“貧乏なまま終わっていくんだろうな”って覚悟も持っていました」

 

こう振り返るのは、池田鉄洋さん(55)。チャンスをつかんだのは『トリック』に出演していた野際陽子さんの舞台に出演したこと。

 

「京野ことみさんのストーカー役。ボクには吃音があったのですが、クセの強い口調で話すと吃音にならない。そのため、独特でキモチ悪い役を演じることが多かったんです。コンプレックスでもありましたが、観劇していた『トリック』のスタッフは面白がってくれて、生瀬勝久さんの相棒役に抜擢してくださったんです」

 

衣装合わせで堤幸彦監督と対面。

 

「『今、出演している舞台が終わったら、すぐに髪を切ってひげもそります』って言ったのに、監督は『それでいこう』って(笑)。『でも、刑事役ですよね?』と聞いても『オタクの刑事だから、そのオレンジのシューズもいいかもね。ラオックスの紙袋を持ってみよう』と、その場でキモチの悪いキャラができあがったんです」

 

撮影現場ではつねに“面白いアドリブ”を求められ、試されていたという。

 

「忘れられないのが、生瀬さんとの聞き込みのシーン。事前の打ち合わせでは、生瀬さんがスーツ姿のまま露天風呂に入ろうとしたところでカットがかかると聞いていたんです。ところが本番では、生瀬さんが勢いよく入浴。スーツがぬれたから撮り直しは困難だし、カットもかからず、カメラは私に向いたまま。“何かしないと”と全力で引き出したのが、『なんじゃ、こりゃあ!』という松田優作さんのマネ。これでOKが出たんです」

 

単に「GPSによりますと」と言うシーンも、直前に「GPS、すなわちグローバル・ポジショニング・システムによりますと」と付け加えられた。

 

「ボクが窮地に陥る姿を撮りたかったはず。さらに『すなわち全地球測位システムによりますと』まで足されました。でも、なんとか言えてしまったから、そのシーンは全カットに(笑)。空き時間に世間話をしていた生瀬さんからは『おまえの受け答えは、全然面白くないな。ビシビシ鍛えてやるからな』と、演技ではなく、トーク力を鍛えられました」

 

独特の“指導”でクセ強キャラが仕上がり、次々に別ドラマのオファーが舞い込むようになった。

 

「母親に泣かれることもあったキモチ悪いキャラでしたが、『トリック』が、自分の武器に変えてくれたんですね」

 

『トリック』(テレビ朝日系、2000~2014年)

自称天才マジシャン、山田奈緒子(仲間由紀恵)と物理学者の上田次郎(阿部寛)のコンビが超常現象や怪事件に隠されたトリックを解決していく、コメディ色強めのミステリードラマ。15年にわたり愛されたシリーズも’14年の映画&SPドラマで“まるっと”完結!

 

【PROFILE】

いけだ・てつひろ

1970年生まれ、東京都出身。舞台を中心に活動するなか、『トリック』や『医龍-Team Medical Dragon-』でのクセの強いキャラクターで全国的な人気に。演出家、脚本家としても活躍。

 

画像ページ >【写真あり】「若いころから濃い!」ドラマ『トリック』出演時の阿部寛(他1枚)

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