「木更津まで帰ろうと思っていましたが、電車が動かない。スマホで探したら、ここで帰宅困難者を受け入れているというので来ました。助かりましたよ。まったく、千葉でこんな経験をするとは思ってもみませんでした。本当に驚いています」
そう話すのは30代の男性。千葉県庁で帰宅困難者を受け入れていることをスマホで知り、駆け込んできたという。
8月13日、千葉県を襲った豪雨被害。これまで出されることがなかった大雨特別警報レベル5は、大都市で豪雨災害が発生したとき、いかに被害が大きくなるか、避難がいかにたいへんなのかを、まざまざと見せつけた。県庁に避難してきた29歳の女性はこう話す。
「静岡県から千葉の実家に帰省しようとして、豪雨に遭いました。JRの特急が停まってしまい、仕方なくここに来ました。こんな経験はいままでありません。大雨の被害ってこんな感じなんですね。逆に新鮮です」
26歳の男性は、水害に強い交通機関を発見したという。
「バスで千葉市内に通っていましたが、バスが動かないので、やむなく県庁に来ました。じつは普通に動いていた交通機関があったんですよ。それはモノレール。たしかに高いところを通っているので、水害にはめっちゃ強い。普通に動いていましたよ。ただ、乗ろうと思ったら、すごい人数の人が並んでいて、あきらめました」
千葉県によると、千葉県庁内に一時滞在施設を開設したのが13日の19時。22時の時点で200人ほどの帰宅困難者が避難してきた。それが、14日朝6時には1286人に膨れ上がっていたという。
「県庁に避難してきた人たちは、みなずぶ濡れの状態で『寒い、寒い』と言っていました。県庁内では毛布や、体温を逃さないようにするアルミブランケットを配布していましたが、まずは濡れた衣服を拭くタオルがほしい、という声が出ていました。また、みなさん気にしていたのが、携帯電話の充電。どこかで充電ができないか、探していましたね」(現地記者)
対応に追われた県の担当者はこう話す。
「今回は千葉市と相談して、県として、帰宅困難者に対し一時滞在施設の開設を決めました。避難してきた方々にはペットボトルの水、クラッカー、毛布かアルミブランケット、タオルもお渡ししていました。また、携帯電話充電用のコンセントやケーブルも用意していました。
ところが、一時滞在施設は当初、1階ロビーだけでしたが、帰宅困難者の方がどんどん増え、会議室など使える部屋をどんどん開放し、最終的には20カ所になりました。タオルやコンセントなどが使えなかった部屋があったのかもしれません。一度にここまで多くの帰宅困難者の方が、避難してこられるとは思っていませんでした。帰宅困難者の方には登録用紙に名前や住所を書いてもらったのですが、それに時間がかかりすぎる、というご指摘も受けました」(千葉県管財課)
14日時点で、県庁内の一時滞在施設には帰宅困難者がまだ数十人、避難しているという。大都市圏での災害対応の難しさが露呈した形となった。
画像ページ >【写真あり】数が足りない! 千葉県庁が開いた帰宅困難者用の一時滞在施設(他7枚)
