咲子の夫で、親族との関係が疎遠な充を演じる松山ケンイチ(写真:本誌写真部) 画像を見る

《あのセリフの意味は?》
《あれもこれも伏線?》

 

現在放送中の連続ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系)が、主婦を中心に話題を呼び、SNSでも毎週放送後に考察が投稿され熱い議論が繰り広げられている。

 

瀬尾咲子(蒼井優・41)と充(松山ケンイチ・41)と、園田樹生(中島歩・37)とあずさ(夏帆・35)の2組の夫婦の関係性が、ある事故を境に壊れていく過程を描く。

 

コインランドリーでたあいない会話を重ねる男女は不倫か。家族の絆、失踪、過去の影――見る者に“家族とは何か”“不倫とは”を改めて問いかけてくる。

 

映画『失楽園』も手がけた脚本家の筒井ともみさんは、ドラマと“不倫”の関係をこう語る。

 

「いまも昔も、不倫というと、一斉に世間は好奇心をむきだしにして、魔女裁判にかけたがる。昭和の時代が寛容だったなんてことはありません。ですから『失楽園』でも、あのつながったまま――の世間に抗うラストになったのです」

 

『失楽園』では、ヒロイン像に“己の責任で世間と闘っていく強さ”を吹き込んだという。

 

『Tシャツが乾くまで』についても「2人の関係がそのまま事実だとしたらこれは不倫かどうか? 世の中的な定義は、ほかの誰かに迷惑をかけ、つらい思いをさせるのならそれなのでしょう」と指摘しつつ独自の視点でこう示す。

 

「不倫って“ふみ行うべき道にあらず”という意味なので、正式な夫婦であっても、“愛はなくてとりあえず生活”という在り方なら私にとっては不倫です。私は何があってもすべてを自分の心と体で受け止める女性のしなやかな強さを描いてきました。

 

不倫を否定しながら見ていても、やがて自分もそちら側にいくかもしれない……と思わせる。それが“そそられる”ドラマですよね」

 

地上波の全ドラマを録画、観察しているコラムニストの堀井憲一郎さんは、本作は“家族とは何か”が大テーマだと分析する。

 

「サブストーリーのように見える咲子の同僚である千鶴(臼田あさ美)の不倫模様は、物語を暗示している。彼女が不倫相手と別れた時点で『ただの不倫ドラマではない』という制作側のメッセージと受け取りました。あずさと充がコインランドリーで会うだけの関係を“令和の不倫”と位置づけることもできますが、親族との関係が疎遠な充と、施設で育ったあずさは、生い立ちが似ているからこそ互いにシンパシーを感じていたのでしょう。むしろ“家族のような関係”だったと捉えるほうが、しっくりきます」

 

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