「首相の任期はあと1年。そう考えれば、“高市色”が強くなるのは当然でしょう」
そう語るのは、自民党の中堅議員だ。政権の行方を左右する“人事”が、いよいよ動き始めた──。
その象徴ともいえるのが、8月25日に官邸でおこなわれた高市早苗首相と麻生太郎副総裁の会談である。約50分にわたって話し込んだ2人は、9月の内閣改造に伴う党役員人事について意見を交わしたという。
「現在、幹事長を務めるのは、麻生氏の義弟でもある鈴木俊一氏ですが、高市首相は幹事長代理の萩生田光一氏を昇格させるのではないかという見方が出ています。萩生田氏は裏金議員で、しかも秘書が有罪判決を受けています。とはいえ、調整力は抜群で忠誠心も高い。秋の国会では、維新の“肝いり法案”である議員定数の削減法案が提出されます。ただ、この法案は、野党すべて反対で、自民党内からの反発も強い。維新の馬場伸幸議員が舵を取ると予想されていますが、答弁はかなり不安。すでに2度、閣僚経験があり官僚の使い方もうまい萩生田氏の玉突きなら言い訳がたつというわけです。
党内では、ほかにも、総務会長の有村治子氏を幹事長にとも囁かれています。参院比例選出議員が幹事長になるのは異例ですが、有村氏なら麻生派です。麻生氏としても、自派の人間なら一定の面子は保てるというわけです」(同前)
つまり、今回の人事は単純な“高市派人事”では終わらない可能性がある。首相自ら側近を重用しながらも、麻生副総裁ら党内実力者とのバランスをどう取るのか。そこが大きなポイントになる。
そんななか、永田町をさらに騒がせているのが、「第2次高市内閣人事・党幹部名簿」なる怪文書だ。その内容を見ると、高市首相を支える「保守団結の会」のメンバーが次々と閣僚候補として名前を連ねている。
「青山繁晴氏、高鳥修一氏、中村裕之氏が初入閣と記載されており、重要ポストの法相には、党の広報本部長の鈴木貴子氏の名前がある。もちろん、この文書の真偽は不明ですが、もし実現すれば、かなり大胆な人事であることは間違いないでしょう。鈴木氏は先の総選挙で党のSNS戦略を担い、広報面で高市首相を支えました。論功行賞という意味では、法相への起用は『満を持して』ということになります。ただ、法務行政を担うポストだけに、適材適所なのかという疑問も出てくるでしょう」(同前)
そして、もうひとつ永田町で注目されているのが、政調会長の小林鷹之氏と日本成長戦略担当大臣の城内実氏の“入れ替え説”だ。すなわち、小林氏を大臣に、城内氏を党側の要職に回すという構想である。
「城内氏は、高市首相の本当に数少ない側近の1人です。政権の経済政策の方向性をまとめるうえで、『骨太の改革』の原案をほぼ1人で書き上げるなど、かなり重要な役割を果たしてきました。今度は党側で経済対策をまとめてもらう、という形になるのではないでしょうか。
首相にとって、小林氏は総務相の林芳正氏と並び、次の総裁候補として名前が挙がる存在です。つまり、高市政権において経済政策の司令塔ともいえる成長戦略相に、次の総裁選のライバルを入れるというリスクを取ってまで、城内氏を政調会長に据えたいのでしょう」
高市首相にとって、今回の人事は単なる“顔ぶれの変更”ではない。残された任期中に自らの政策を実現し、同時に“ポスト高市”をめぐる党内の勢力図も見据えなければならない。麻生副総裁との会談を皮切りに、永田町ではすでに駆け引きが始まっている。
画像ページ >【写真あり】高市首相が目を見開き…困惑集める5年前の“異様な動画”(他4枚)
