9月18日、自民党福岡県連は県議会での金銭授受疑惑をめぐり辞任表明した県議の松本国寛会長の後任を決める県連の会長選に、古賀篤衆院議員(旧宏池会)が唯一立候補することが決まった。27日の総務会で新会長に選出される予定だという。
会長選の立候補には県連役員63人のうち、20人の推薦が必要とされるなか、古賀氏だけがその条件を満たしたものと思われる。
福岡県議会では、県議らの豪華海外視察旅行や議長・副議長ポスト就任をめぐる金銭授受疑惑問題で、“県政のドン”と呼ばれた世界獣医師会会長の蔵内勇夫氏(72)が、8月25日付で県議会議長と県議会議員を辞任している。
政治部記者が言う。
「福岡県連では、蔵内氏が会長に就いた2015年以降、他県と違い県議が会長ポストを独占。蔵内氏が退いた後も、その支配下にある県議がポストを継承し続けたことは、蔵内氏の福岡県政での権力がいかに大きかったかを示しています。しかし、蔵内氏の議員辞職により、次期会長を国会議員から出すことで合意していました。地元・福岡県での政治力を強めたい麻生太郎党副総裁は、麻生派所属の井上貴博前首相補佐官を会長にしたいと考えていましたが、思うように推薦人が集まらなかったようです。
県連、とくに県議団のなかでは、蔵内氏が辞職に追い込まれた背景には、麻生氏がいるとの見方が強く、それが大きな反発を招いたようです。ですから、今回の県連会長選は麻生VS反麻生という構図になっていて、それは反麻生派が集結した結果だと言えます。麻生氏サイドは県連に対し、『高市早苗首相が井上議員を推している』と吹き込んでいたようですが、麻生氏への反発が強すぎて、井上衆院議員の推薦人が集まらなかったというわけです。ある県連関係者は『これで麻生氏が福岡で力がないことがはっきりした』と溜飲を下げていました。また、麻生氏と福岡政界での覇権を争ってきた武田良太衆院議員と旧宏池会が手を結んだのではないかと推察する声も出ています」
2025年10月の自民党総裁選で高市氏を総裁に選出するために多大な影響力を発揮した麻生氏をもってしても、県連会長選は上手く事を運べなかったようだ。
福岡政界での影響力が低下したとはいえ、9月16日の党役員人事では、麻生氏の副総裁と義弟である鈴木俊一幹事長の留任が決まり、中央政界での権力は維持したとも言えるのだが、ある自民党関係者は「麻生さんの権力はあと1年ではないか」とし、こう続ける。
「麻生副総裁と鈴木幹事長は留任となりましたが、高市さんがあくまで来秋の総裁選を見越して再選には麻生さんの力が必要だと判断したためでしょう。再選されれば、麻生さんの力はもういらないと役職から外す可能性が高いのでは。麻生さんも歳ですし、そういう意味では麻生さんの力もあと1年という見方が党内では強いですね」
2008年から2009年に首相を務め、第二次安倍晋三政権と菅義偉政権で副総理、岸田文雄政権では党副総裁、石破茂政権では党最高顧問に就任し、高市政権では副総裁に返り咲くなど、長きにわたり、政界随一の実力者としての道を歩んできた麻生氏は、9月20日に86歳の誕生日を迎えた。
これまでに何度も引退説が流れた麻生氏について、麻生派関係者が言う。
「麻生さんは数年ほど前に『爺さん(祖父の吉田茂元首相)と同じ歳まで(衆院議員を)やる』と言っていました。吉田元首相は85歳1カ月で引退しましたから、その目標はすでに達成しています。残るは憲法改正の実現ですが、そこまで現職でいられるかどうか……」
2027年秋の総裁選では、高市氏の再選に“後見人”として大きな役割を果たすとみられている麻生氏だが、1年後の自身の姿をどのように思い描いているのだろうか。
画像ページ >【写真あり】高市首相が目を見開き…困惑集める5年前の“異様な動画”(他4枚)
