ど根性ゆりの母子旅のゆり(画像:ど根性ゆりの母子旅のインスタグラムより) 画像を見る

シルバーウィークなど秋の連休で海外旅行への関心も高まるなか、ある旅系YouTuberの発信が物議を醸している。

 

それは、3歳と5歳の子どもとともに、日本や世界各国を旅する様子を発信しているYouTuber「ど根性ゆりの母子旅」のゆり。

 

ゆりは9月30日、アフガニスタンに到着したことをThreadsで報告。《みんな親切だしびっくりしすぎてる》などとつづり、現地の空港で撮影した子ども2人の写真を投稿した。

 

しかし、外務省の海外安全ホームページでは、アフガニスタン全土に最も高い危険レベル4の「退避勧告」が出されている。テロや誘拐などのリスクに加え、情勢や治安が極めて不安定なことから、目的を問わず渡航を止め、すでに滞在している人には直ちに退避するよう求めている。

 

外務省が退避勧告を出しているアフガニスタンを訪れたことで、物議を醸しているYouTuber「ど根性ゆりの母子旅」のゆり。現地の様子をSNSで発信するなか、外務省の危険情報を疑問視する発言や、危険地域の安全性を強調する投稿を繰り返し、批判の声が広がっている。

 

そうした地域に幼い子どもを連れて渡航したことに、《なんでそんな危ない所行くの?》《子連れで選ばないな》など、SNSでは子どもたちの安全を懸念する声が相次いだ。

 

ところが、ゆりは現地の危険度を尋ねるコメントには《現地に是非行ってみてください〜》《めっちゃ治安良くてびっくりしております、、》などと返信。さらに、外務省の危険情報を持ち出したユーザーには、《外務省まじであてにならないですよ〜》《ニュースとの違いに感動して涙出るほどです! 行くとわかると思います》と返信するなど、渡航を推奨するかのようなコメントを繰り返している。

 

さらに、10月7日には、イランを経由してイラク入りしたことも報告。Threadsでは、イラクのクルディスタン地域を訪れたとして、子どもと広場を見下ろす写真などを添え、《日本より治安が良いなんても言われるクルディスタン地域!》《今日も平和》とつづった。

 

しかし、外務省の危険情報では、イラクのクルディスタン地域もレベル4の退避勧告の対象となっているため、改めて批判を呼んでいる。

 

危険情報が出ている国への渡航は、法律で一律に禁止されているわけではない。しかし、現地の安全性を強調するゆりの発信を受けて、当該地域を訪れた人が危険な目に遭う可能性も決して否定はできない。このことを、退避勧告を出している外務省はどのように考えるのか。

 

そこで、外務省に取材したところ、領事局の海外邦人緊急事態課の担当者が、ゆりの渡航については「把握している」としたうえで、一般論として次のような見解を示した。

 

「私どもは、世界各地の情勢を踏まえ、国単位だけでなく、都市や地域による危険度の違いも考慮して、危険レベルを1から4まで設定し、危険情報や安全情報を発信しています。

 

今回の件については、国民の方からも『あのような行動は大丈夫なのか』という電話が複数件来ています。何か事件があったら小さなお子様まで巻き込まれることになるので、非常に良くないとの懸念から、ご指摘をいただいています。

 

最近では、YouTuberの方が、普段あまり人が行かないような場所を訪れて配信するケースもあります。商業的な意味合いも含めて注目を集めたいという方は一定数いらっしゃいますが、実際にトラブルに遭ったり、遭いかけたりした事例も、私どもは過去に把握しています」

 

担当者によれば、危険レベル3は「渡航中止勧告」、レベル4は「退避勧告」にあたる。レベル4の地域だからといって、常に銃弾が飛び交っていたり、訪れた人が必ず事件に巻き込まれるという意味ではない。しかし、現地でたまたま危険を感じなかったことと、渡航先全体の安全が確保されていることは別だという。

 

「レベル4の地域には、テロや誘拐の危険が高い場所もあれば、戦争や紛争状態にある場所もあります。現地の公共交通機関や飛行機が突然止まって、帰りたくても帰れなくなる可能性もあります。

 

また、一般犯罪率が非常に高かったり、何かにだまされたり、拘束されたりするリスクもあります。ほかの地域に比べて、そうした危険が高いという意味で注意喚起をしています。たまたま行って自分は安全だったからといって、『安全なんです』と伝えるのは少し違うと思います」

 

危険情報には法律上・行政上の強制力がなく、渡航しようとする人を直接止める手段はないという。危険性を伝えても、渡航するかどうかは本人の判断に委ねられるのが実情だ。

 

「ネットなどを見る限り、多くの方は常識的に理解されているようで、少し安心感はあります。一方で、YouTuberなどの方々が、普通の人なら行くことをためらうような場所に行って配信したいという欲求を持ち、そうした行動が一定の支持を得ている面もあります。

 

企業の駐在員や研究者など、現地の人とのつながりがあったり、事情をよく知っていたりして、安全対策を講じられる人もいるでしょう。一方、個人旅行者は現地とのつながりが乏しいことも多い。だからこそ、私どもが発信している情報をしっかり確認し、行くか行かないかを判断していただきたい。仮に行くのであれば、それなりの安全対策を取っていただくことを期待しています」

 

外務省は今回の件について、現地の大使館関係者にも情報を伝えたという。

 

「現地の関係者には、こういう方がいて、日本でもニュースになっているということは伝えています。なかなか直接連絡を取るのは難しいですから、その方の動向に注意する、見守るといった対応になるかと思います。

 

私どもとしても、何かあってから助け出すというのは、それはそれで大変ですので、そうした事態に遭わないよう、気をつけて海外に行っていただきたいと思っています」

 

”自分は安全だった”という経験だけで、危険情報が示すリスクまで否定することはできない。

画像ページ >【写真あり】子連れでアフガニスタンへの旅行報告をするゆり(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

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