フランス全土で広がっている大規模抗議デモ。9月に学生主導で教育環境の悪化に対する抗議運動が始まったことをきっかけに、生活費や燃料価格の高騰など経済・社会問題に対する不満が急拡大。10月17日に起きた大規模抗議デモは“近年最悪”といわれる暴動に発展し、数多くの店舗で略奪や破壊行為が相次ぐ事態となった。
こうした情勢が日本でも注目を集めるなか、ある有名経営者の“私見”が物議を醸している。その人物とは、音楽レーベルや音楽プロダクション事業、ライブハウス運営、飲食事業など幅広く手掛ける「株式会社LD&K」の大谷秀政代表。
同社には「ガガガSP」「かりゆし58」「打首獄門同好会」などの人気バンドのほか、高畑充希(34)の20周年記念アルバムに楽曲提供したシンガーソングライター・日食なつこ(35)といったアーティストも所属。大谷氏本人も今年2月に、連続起業家・溝口勇児氏らが手がけるYouTubeの経営エンターテイメント番組『REAL VALUE』に出演し、“音楽界の重鎮”として説得力のあるプレゼンが話題を呼んでいた。
そんな大谷氏だが、10月20日午後4時41分にXで次のように投稿したのだった(以下、《》内はすべて原文ママ)。
《イスラム教徒は繁殖力が半端ないのと、自国から家族も呼び寄せるので、ねずみ算的に増えて行きます。偽装結婚や犯罪者など厳しく国外退去させないと手遅れになりますね。デモに便乗したパリをみてください》
なお、大谷氏は昨年11月5日にも、あるユーザーがイスラム教徒の指導者の発言を取り上げた投稿を引用し、《繁殖能力がネズミ並みなんだから!世界がイスラム教徒とアフリカ人ばかりになる日はそう遠くないかと。。》と主張していた。
大谷氏は外国人の移民問題について警鐘を鳴らしたかたちだが、今回の投稿は瞬く間に“イスラム教徒に対する偏見”“差別”として批判が相次ぐことに。
ミュージシャンからも苦言が呈されており、21日には「サニーデイ・サービス」の曽我部恵一(55)が《私もサニーデイ・サービスも、あらゆる差別に反対します》と投稿。具体的な事柄には言及していなかったが、タイミング的に大谷氏に対する意思表示だと捉えた人も少なくなかったようだ。
批判を集めた大谷氏の投稿はすぐに削除されたが、“納得できない”と訴えるアーティストもいた。
「ソウル・フラワー・ユニオン」の中川敬(60)は当該投稿のスクリーンショットを添えて、《消したようなので貼っておく。最低やな。これ、社内で大問題にした方がいいんじゃないの?こんなレイシストが音楽の現場で代表を務めてたらあかんでしょ》と苦言。
シンガーソングライター・春ねむり(31)も大谷氏の投稿を当初から批判し、当該投稿が削除された後にはこう指摘していた。
《当該の差別発言投稿は削除されたみたいだけど、それで解決と言える類じゃない下劣さだと思うから、事実を学んで理解した上で発言の何が問題だったのかと謝罪を表明するくらいの責任は最低でも取られた方がいいと思う》
ある社会部記者は言う。
「大谷氏はイスラム教徒の人口増加や犯罪、フランスの抗議デモをひと括りにしていましたが、それらを結びつける明確な根拠は示していませんでした。また、『繁殖力が半端ない』『ねずみ算』といった言葉選びも、イスラム教徒を貶める印象を与え、嫌悪感をあおる表現だと受け取られかねません。
フランスの抗議デモでは、黒い服や黒い覆面を身に着けた『ブラック・ブロック』と呼ばれる集団などによる破壊行為が報じられています。しかし、こうした行為に関わった人々が移民やイスラム教徒であるとは限りません。実際に起きている問題と、宗教や出自は分けて考える必要があるでしょう」
一部ミュージシャンから同社系列のライブハウスへの出演を拒否するといった“ボイコット”も巻き起こるなど、炎上騒ぎとなった大谷氏。
数々の批判を受けてか、21日に更新したXで《Xで炎上してる件で↓ 》と投稿。続けて《パリの酷い動画や情報をみて思わず反射的に意見していまいました》とし、《私に届いている情報は偏っているのかも知れませんね。言葉も悪かったです。国と自分の将来には危機感を持っています。心配かけてすみません 立場的に反省しています》と謝罪していた。
しかし批判は止むことなく、大谷氏のもとには《言葉が悪いとかそういう問題じゃないですよ》《謝罪とは言えないほど最悪な言い訳》と改めて厳しい指摘が寄せられている。
そこで本誌は21日、株式会社LD&Kを取材。大谷氏が投稿した意図、投稿を削除した理由、批判に対する見解を問い合わせたが、期限までに回答はなく“ノーコメント”だった。
画像ページ >【写真あり】“イスラム教徒に対する差別”として炎上した投稿(他2枚)
