東京湾大華火祭の公式Xアカウントより 画像を見る

10月24日、東京湾大華火祭が11年ぶりに開催された。復活した待望の花火大会だったが、思わぬ批判が上がっている。

 

1988年に始まり、東京のベイエリアの夏の風物詩として親しまれてきた東京湾大華火祭。東京五輪の選手村建設のために2015年の開催を最後に休止していたが、今回、中央区と港区の区政80周年記念事業として、ようやく復活が実現した。

 

今年は、混雑を避けるため、全席「完全チケット制」が導入された。一部区民優先の無料席もあったが、一般チケットは5000円~1万円。全23エリア、およそ11万席はほぼ完売となった。

 

イベント当日は雨が予想されていたものの、公式サイトでは当日の午前9時時点で「予定通り開催」と発表。来場者にはレインコートやポンチョの持参を呼びかけていた。そして、海上から次々と打ち上げられる花火に、会場では歓声があがった一方で、SNSにはこんな不満の声も相次いだ。

 

《これが5,000円の席から見える花火です》
《区民以外は、わりかし高いチケット代払って東京湾大花火これは酷い、、 なんで決行したんだよこれ》
《東京湾大華火大会、有料の5,000円席なのに、首都高と橋&雲でほぼ何も見えない。 お金返していただきたいレベルで、人生で1番見えない花火大会でした。 実際に座って、シミュレーションされていますか?》

 

Xでは、曇り空や滞留した煙に花火が隠れてしまい、全体像がうまく見えず雲の中がわずかに明るく色づく様子を捉えた動画を複数の参加者たちが投稿。同様に十分に見えなかったという人たちから不満が続出し、ある投稿者は、「自然現象だから仕方がないのでは」という意見に対し、“この天気で花火大会を強行したことを批判している”と反論。天候そのものではなく、中止の場合のみ返金対応となる大会の開催を決定した運営の判断を批判した。

 

また、天候だけでなく、観覧場所によって花火の見え方が異なることにも批判が。《有料の5,000円席なのに、首都高と橋&雲でほぼ何も見えない。お金返していただきたいレベル》などと、花火が煙に埋もれている写真のほか、高速道路に花火が隠れてしまっている写真も公開され、観覧席の設定にも疑問の声が上がった。

 

一方で、こうした批判に対しては擁護する声も。

 

《規約は「荒天中止・順延なし」。曇りは“荒天”やないから中止にはならん》
《今回の花火は支払った価値があるものにはならなかった点は同意です。ただ天候については主催者の落ち度ではないですからね》
《ワイの席別に普通に見えてたんで、撮ったタイミング・撮り方の問題か、マジで見えない方角があったのかよくわからん》

 

実際、きれいに撮影された花火の写真や動画も多数投稿されており、大会を楽しんだ人も少なくない。

 

公式サイトには「荒天中止・順延なし」と記載されているが、そもそも開催の可否を分ける「荒天」とは、どのような状態を指すのか。中央区地域振興課の華火祭担当者に話を聞いた。

 

「荒天かどうかは、雨や風、雷などを総合的に見て判断します。明確な定義が難しい部分もありますが、花火の打ち上げについては東京都が基準を設けていて、例えば海上で打ち上げる場合、風速7メートル以上の風が10分間継続して吹いていると実施できません。また、気象面では大雨警報などの注意報や警報が発令されている、あるいは発令される見込みがあるかどうかも判断材料になります。

 

雨が降っているからといって、必ずしも荒天というわけではありません。花火は火をつけて点火するのではなく、電子制御で打ち上げているため、実は雨には比較的強いんです。感覚的には『雨天なら花火は中止』と思われる方も多いかもしれませんが、雨が降っているからといって、必ずしも中止になるわけではないのです」

 

開催基準を満たしていたと説明する一方で、担当者が「予想していなかった」と振り返るのが、打ち上げ中の風の状況だったという。

 

「風については特に警戒していて、どこからどれくらい吹いているのか、海上でも計測しながら定点観測していました。当日の朝や昼の時点では、海上で5メートルほどの風が吹いており、打ち上げの基準となる7メートルを下回っていたため、開催できると判断していました。ところが、打ち上げの途中で予想していなかったほど風が弱まり、無風に近い状態になった時間帯が結構あったんです。そうなると煙が流れず滞留するので、花火が見えにくくなってしまいます。花火の性質と、当日の気象条件がうまくかみ合わなかったタイミングがありました」

 

ただし、花火が見えにくい状態が1時間半の打ち上げ時間を通して続いていたわけではないという。

 

「1万2000発を打ち上げているので、1時間半ずっと見えなかったということではないと思います。例えば、お台場エリアの人がまったく見えなかったかというと、そうではありません。煙が滞留して暗くなった瞬間を捉えた写真や動画が、ネット上に出ているということだと思います。もちろん、見づらかった方がいらっしゃったことは承知していますが、打ち上げている間、ずっと同じ状況だったわけではないと考えています」

 

では、有料チケットを購入したにもかかわらず、花火が十分に見えなかったという不満や、高速道路などの構造物に視界を遮られたという批判については、どう受け止めているのか。

 

「有料席だからといって、見え方のすべてを保証するわけではありませんが、できるだけ多くの方に楽しんでいただきたかったというのが、私たちの一番の思いです。会場は何もない平らな場所ではなく、さまざまな構造物もあります。そうしたものも含めて、すべての席からの見え方を想定するのは、正直なところ難しい部分もありました。ご満足いただけなかった方がいらっしゃることについては、申し訳なく思っています」

 

また、当日は雨が降る時間帯もあったものの、打ち上げ中はほとんど雨が降っていなかったと説明。天候の影響もあって期待に応えることができなかった部分もあったが、「11年ぶりの花火大会そのものは楽しんでもらえたのではないか」と振り返った。

 

今後、継続して開催できる場合には、観覧席の配置や料金体系についても見直す考えがあるという。

 

「席を設定する際には、花火がどの位置に上がるかを想定したシミュレーションを行っています。ただ、実際に花火を打ち上げて確認したわけではないので、当日の見え方まで完全に予測できていたわけではありません。今回のご意見を踏まえて、もし継続開催ができるのであれば、席の設定の仕方も考えていきたいです。

 

料金についても、さまざまなご意見があることは承知しています。『高い』『こんなに払ったのにこれしか見えないのか』というお気持ちは理解できます。一方で、豊洲ぐるり公園や海の森公園の突端などでは、1万円を払っても安いと感じたというお声もありました。場所によって見え方が違うのであれば、料金をもう少し細かく設定するという方法もあると思います」

 

物価高騰の影響で、経費は11年前のおよそ4億円から15億円ほどにまで膨らんだという今回の花火大会。担当者は「花火大会なので、あまり高額にしたくないという思いもあります」と、料金設定の難しさを明かす。

 

「警備や運営には費用もかかりますが、お金持ちの方だけに見ていただきたいわけではありません。花火大会は利益を出すために開催しているものではなく、実際、チケットを販売しても運営費には届きません。そうした費用とのバランスは考えなければならないと思っています。今回の経験で得られた知見やご意見を、継続開催がかなうのであれば、今後の改善につなげていきたいです」

 

最後に、SNS上での反応をどう受け止めているのか、担当者に率直な思いを聞いた。

 

「インターネット上の反応というのは、なかなか難しいところがあります。私たちは行政なので、すべてに反論できるわけではありませんし、投稿されている内容が事実に基づいているのか判断できない部分もあります。ただ、実際に地域の方とお会いしたり、ご連絡をいただいたりするなかでは、開催できたことを喜んでくださる声も多く聞いています。

 

担当課長として率直に感じるのは、ネット上の世界と、実際に地域にいらっしゃる方の反応には少し違いがあるのかなということです。もちろん、ご不満を感じた方がいらっしゃることも受け止めています。今回いただいたご意見も大切にしながら、今後の開催や運営に生かしていきたいと思います」

 

11年ぶりの開催には課題も残ったが、今回寄せられた声を今後の運営に生かし、来年もまた花火が東京の夜空を彩ることを期待したい。

 

画像ページ >【写真あり】雨天のなか開催された華火大会の当日の様子(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

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