40代以上の視聴者には『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)のように見えたかもしれない。10月27日のNHK『うたコン』は「みんな大好き!ユーミン特集」を放送したが、本人の登場はなく、世帯視聴率4.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)に終わった。
「残念ながら、今年2番目に悪い数字に終わりました。松任谷由実さん自身が出演すれば、結果は違ったと思いますが……。主に、『ひこうき雲』『真夏の夜の夢』『春よ、来い』などユーミンの曲を瀧本美織さん、MAZZEL、Little Glee Monsterなどの歌手がカバーするスタイルでした。本人は登場せず、別の歌手が歌うやり方は、かつての『夜もヒッパレ』を思い起こさせました」(テレビ局関係者)
原田知世(58)は『ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ』、石川ひとみ(67)は『まちぶせ』というユーミン作詞、作曲の持ち歌を歌ったが、カバーの割合のほうが高かった。最近の『うたコン』は昭和、平成の名曲を本人以外が歌うことが多くなっている。
10月13日の放送では山内惠介(43)が『空と君のあいだに』(中島みゆき)、櫻坂46の松田里奈(27)と山﨑天(21)が『Best Friend』(Kiroro)、10月20日の放送では石川さゆり(68)が『人生いろいろ』(島倉千代子)、氷川きよし(49)が『川の流れのように』(美空ひばり)をカバーした。
「『過去の名曲は数字を取れる』というデータがあるのでしょう。これは10月に限らず、毎週のように行われています。ただ、カバーの場合、歌手と曲の波長が合わないと、視聴者を食い止める力が弱くなるのだと思います」(前出・テレビ局関係者)
27日の放送で自身の新曲を歌ったのは坂本冬美(59)『ひらり』、MAZZEL『Touch』、Little Glee Monster『CHERRY COKE』の3組だけで、番組の終盤にまとめられた。
なぜ、このような状態になっているのか。
「出演歌手が新曲を歌っても、数字を取れないからです。基本的に、その形式で進めるTBSの『CDTVライブ!ライブ!』やテレビ朝日の『ミュージックステーション』は『うたコン』より低いですね。『うたコン』は高田みづえさんが久しぶりに歌手復帰した8月25日放送で8.1%を記録。6%台を取る日もあり、音楽番組の中でよく週間1位になっています。あくまで世帯視聴率を基準とした場合ですが……」(キー局関係者)
『うたコン』の直近2カ月で、最も視聴率が良かったのは1970年代から80年代のNHKの音楽番組『レッツゴーヤング』を特集した回で6.2%だった。
「皮肉なことに、この日は過去VTRとスタジオでのトークのみで、歌唱はありませんでした。近藤真彦(62)さん、松本伊代(61)さんという80年代のアイドルが出演していたのですが……。高田さんのような“サプライズ”がない限り、今は『歌番組なのに、歌わないほうが視聴率を取れる』というパラドックスが起こっています。3~4分の曲を聞く意思が視聴者になく、過去の名曲を数十秒でつなぎ合わせたほうが数字は上がるのです」(前出・テレビ局関係者)
とはいえ、音楽番組で歌わないわけにはいかない。
「来週から2週にわたって『うたコン』は放送されません。今年は休止が多い。視聴率不振も関係あると思います。テレビ界の常識として、数字が良かったら簡単には休みにしないですから」(前出・キー局関係者)
今年、放送10周年を迎えた『うたコン』。新たな打開策を編み出せるか。
画像ページ >【写真あり】8月、NHK『うたコン』出演で今年の最高視聴率を記録した“伝説のアイドル”(他1枚)
