GMOインターネットグループの熊谷正寿代表(63)が11月2日、傘下企業のサービスで発生した不正アクセス問題について、初めて記者会見を開いた。
熊谷氏は会見冒頭、約20秒間頭を下げ、「お客さまをお守りすることができず、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。ところが、約3時間半に及んだ会見では、謝罪や被害の経緯の説明だけでなく、自身の経営理念やインターネット業界への持論を長々と語る場面もあった。
「会見は〈第1部〉お詫び、〈第2部〉本件を通じて得た知見の説明、〈第3部〉質疑応答という3部構成で行われました。会見中、熊谷氏の口からは『僕は命をかけてこの産業を笑顔のツールにしてから死ぬつもりです』『皆様の命の砂時計を無駄遣いします』『僕の作ってきたインターネット』といった独特な言い回しが次々と飛び出し、会場に詰めかけた報道陣が困惑する場面も見られました」(経済専門誌記者)
生中継を通して国民に伝えられた熊谷氏の独特な言い回しは、ネット上でもすぐに話題になった。
涙を浮かべて経営理念を熱弁し、独特のフレーズを連発したことから、ネット上では2014年の野々村竜太郎元兵庫県議(60)の号泣会見を引き合いに出す声も。
《テンション高めの冒頭、何故か泣きながらの謝罪も相まって、野々村号泣会見の再来とも言われてしまう》
《GMOの謝罪会見だと思ったら代表の独演会だった件》
なかでもネットユーザーのあいだで話題になったのが「命の砂時計」という聞きなれない表現だ。謝罪の場で経営理念の説明に多くの時間を割いた理由を記者に問われた熊谷氏は、こう答えていた。
「願わくば、人数が多いので、同じ回答を2度すると皆様のお命、命の砂時計を無駄にしますので大変恐縮なんですが、なるべく違うご質問で質問頂けたらと思います」
この発言に対しては、《命の砂時計とかいうパワーワード面白すぎだろ》《皆様のお命はジワる》などの反応が続出。会見を中継したニコニコ動画では、熊谷社長が「命の砂時計」を使う度に投稿者コメントが大盛り上がりする様子が確認された。
一方、会見の説明内容には厳しい声も上がっている。熊谷氏はAIの脅威を説明したが、グループ内の専門家から事前に脆弱性を指摘されていたことも明らかにしている。なぜその指摘を生かせなかったのかという疑問が残った。
《ハッキングされたのが自分たちのせいでなくAIが優秀だからってことを婉曲的説明してるだけのように思うんだが……》
《熊谷さんが「戦争が起こるのは人類全員の責任です」みたいな空論を言い出して自社の個別論のはずのセキュリティ問題を煙に巻いてるように見える言動になってる》
今回の問題を受け、GMO側は攻撃者による身代金要求を拒否。顧客のFX取引で発生した損失は全額補償し、情報流出が確認された顧客には最大300万円の見舞金を支払う方針を示した。熊谷氏を含む役員4人の報酬も、12月から3カ月間、最大30%減額するという。
しかし、顧客が知りたかったのは、なぜ不正アクセスを防げなかったのか、なぜ約2カ月間も侵入に気づかなかったのか、そして再発防止に向けて何をするのかという点だっただろう。熊谷氏が熱弁した経営理念とは裏腹に、ネット上では被害への対応や経営責任を問う声も続いている。
画像ページ >【写真あり】ネットで物議を醸したGMO熊谷が着用していた“モノ”(他1枚)
