11月6日午前、消費税減税関連法案が衆議院本会議を通過する直前に行われた衆院財務金融委員会。議場を大いに沸かせたのは、元名古屋市長の河村たかし衆議院議員(77)と高市早苗総理(65)による“3分間”の一騎打ちだった。
質疑冒頭、「総理を狙う河村たかし。先を越されましたよ」と切り出した河村氏。飲食料品の消費税率を時限的に引き下げる政府案について「減税とは言えん」「官僚社会主義に戻すようなもの」と噛みつき、「それほどまでに官僚社会主義、財務省いうのは怖いのかね。恐れとるんですか」と詰め寄った。
これに対し、高市総理は「おそらく財務官僚の方は片山財務大臣を恐れ、私が総理になったことで大変気落ちをされている方もいらっしゃるかもしれませんが、私や片山大臣が恐れているということはございません」とユーモアを交えて一蹴。議場には大きな笑いが巻き起こり、隣の片山さつき財務大臣(67)も大笑いする一幕となった。
本会議を終え、本誌は新幹線に乗り込んだ河村氏を電話で直撃した。財務金融委員会で与えられた持ち時間はわずか3分。不本意な幕引きと思いきや、受話器の向こうの河村節は健在だった。
「いやあ、まあ3分だもんでね、これ。瞬間芸みたいなもんじゃ(笑)」
独特の語り口で笑い飛ばしつつも、河村氏は「内容は極めて高いと思いますよ、わし」と自負を覗かせる。
「官僚社会主義でいくのか、それとも本当の自由経済を目指すのかの瀬戸際なんだわ、これ。商売人を強くするのが減税で、増税は役人を強くするんですよ。減税と言いながら、何年か経ったら元に戻すなんて舐めとるっちゅうの」
実はふたり、かつて新進党時代にともに汗を流した旧知の仲である。1996年3月、当時、不良債権の象徴だった住専(住宅金融専門会社)処理への税金投入を盛り込んだ予算案に反対し、衆議院予算委員会の開会を阻止するために2人は最前列に陣取って、ピケを張った間柄だ。
「高市さんは『怖くない』と言っとったけど、財務省が怖いに決まっとるが、そんなもん。上手にやって出世して総理になったんだから。でも、初めての女性総理になったんだで、財務省の言うことなんか聞かずに、思い切って本当の減税をやってみやあと。食料品ゼロを恒久でやるとか、もっとカッコええ姿を見せてほしいわな」
盟友だからこその檄を飛ばす河村氏。国会で「先を越された」と漏らしたものの、かつてのキャッチフレーズ“総理を狙う男”の看板を下ろす気は毛頭ない。
「77歳になったで無理だと諦めとる人もおるけど、まだトランプ大統領より2つ若いんだで!(笑) なぜ総理を狙うかといえば、日本はずっとお上優先の“士農工商”なんだわ。それを商売人優先にひっくり返したい。それをやるには、やっぱり総理にならなできせん」
わずか3分の持ち時間では語り尽くせなかった怒りと野望。消費税減税関連法案が衆議院を通過してもなお、“河村劇場”の幕が下りる気配はまったくなさそうだ。
