東京五輪の競泳男子200メートル・バタフライで銀メダルを獲得した本多灯選手(24)が、2028年のロサンゼルス五輪を前に、厳しい現実を突きつけられた。
自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪で有罪判決が下されたことを受け、日本水泳連盟は11月4日、倫理委員会を開き、本多選手に「競技者登録資格停止1年9カ月」の処分を決定。これにより、2028年ロス五輪への出場は絶望的な状況となった。
事故が起きたのは、昨年11月。東京都多摩市愛宕4丁目の道路で、本多選手が運転する車がカーブを曲がりきれず、対向車と衝突した。現場の制限速度は時速30キロだったが、本多選手は時速88~108キロで走行していたという。
法廷で本多選手は、当時の心理状態について「競技で思うような成績が出ず、前方を走るスポーツカーに負けたくないという気持ちから、前の車についていこうとスピードが出てしまった」と説明している。
現場は、どのような道路だったのか。本誌の取材に近隣住民はこう語る。
「多摩ニュータウンの団地の間を、くねくねと曲がりながら抜けていく細い道です。追い越し禁止で、住民以外は使わないような道です。道の先が見渡せないほどカーブしており、時速100キロ近く出すなんて、普通では考えられません」
本多選手は普段から車でこの道を使っており、事故の朝も通行したという。なぜ、こんな道を走っていたのか。その答えが事故現場からわずか100メートルほどの場所にある施設にあった。競泳の強化選手育成を目的に整備された最先端施設『AQIT』だ。
「本多選手が所属するスイミングスクールが立ち上げた、日本初のオリンピック仕様公認競技用プールです。民間スイミングスクールとして初めて長水路水深3mプールを備え、さらに世界で他に類を見ない独自の泳法解析装置を備えたオリンピックを目指すトップ選手だけが利用できる最先端の練習施設です。
本多選手はここを練習拠点にしていましたから、事故当日の朝も練習に向かう途中だったのでしょう」(水泳競技関係者)
本多選手は、当事者間での話し合いで済ませられるという甘い判断から、起訴されるまで日本水泳連盟への報告を怠っていた。今年に入ってからも日本選手権など複数の大会に出場し、その成績を受けてパンパシフィック選手権と愛知・名古屋アジア大会の日本代表に選ばれていた。
しかし、7月末になって、本多選手はやっと連盟にその事実を自己申告。これを受けて連盟は大会直前に、2大会への出場取り止めを決定するなど、関係各所が対応に追われることになった。
今回の処分について、前出の水泳競技関係者はこう話す。
「日本水泳連盟の規程では、登録者への処分は『戒告』『けん責』『登録資格の停止』『登録資格の剥奪』の4種類。今回の停止処分は最も重い処分に次ぐものです。連盟に対する不誠実さも、判断に影響したのではないでしょうか」
一方、本多選手は被害者に対して自ら150万円を支払うなどして謝罪。今後は二度と運転しないと誓っているという。
世界の頂点を目指して積み重ねてきた努力も、ハンドルを握る際の一瞬の判断ですべてが暗転してしまった。
画像ページ >【写真あり】住宅街で100キロ暴走…運転する本多灯選手(他2枚)
