【バリアンに会いに行く】④「デワ先生との対話②」
神秘主義的な言葉と言うよりも、実に説得力のある精神論ともいえるデワ師の言葉。日本の悩める若者への助言を求めてみた。
taba いま日本では、二十代の死因の第1位が自殺になったんです。昔は病気だったんですけれど、いま1位は自殺です。若い人たちの気持ちがどこへ向いているのか…。
デワ師 ここがいっぱい。メモリがいっぱいになりすぎている。もうなんか面倒くさいというか。そのメモリがいっぱいなんですよ。
taba そんな日本の若い人たちに、メモリーがいっぱいのところ、面倒くさいところから逃げ出すというか、気持ちを変えていくには、先生の方法論というか、何か指示をしていただけますでしょうか。
デワ師 生きているということは、問題があって当然なんです。私だってこの仕事も、やはり朝起きて、出勤して、仕事してというくりかえし。やっぱり飽きちゃ
うでしょ、同じようなことの繰り返しですから。でも働かないと生きていかれないじゃな いですか。日本はとくに、親子の間でメンタルの教育が足りないのでは
ないでしょうか。これが必要なんです。子供にねだられる。あ、そうですかって買って上げる。そうすると、自分で何とかしようという知恵が働かなくなってきてしまう。その知恵というのかな。
神様がいつでも考えて、これはどうすればいいか、どうすれば解決できるとか、どうするか。それをやはり考えることが本当は重要なんですね。動物でも脳みそはあるんですよね。人間もある。でも人間には知恵というものがある。解決しようとする。動物だってみんなあるわけですけれども、でも動物には知恵というか、そういうのがない。だから人間というのは一番… なんというんですかね。だから生きていくなかで、いつでも知恵を働かせて問題を解決していかないといけないんです。
だから神様にせっかくいただいた知恵とい
うのを使わないでいると、はあーって、あきらめちゃって、自殺する。だからその知恵を働かせて、新しい道、どうするとかね。人生に振り回されるのではなくて、自分のほうから切り開く。だからいまは人生のほうにコントロールされている。ではなくて、自分で人生をコントロールする。今日の分、明日の分も十分ならいいや。明日は気持ちを抜いて、ポーッとしようと。
いつも人生の重圧がかかってくるとストレスがたまってしまう。だからいつも感謝する。これでもう十分だ。ほんのちょっとでも、これだけある。ありがたいなと思えば。だから大金持ちの人でも、貧乏人でも、食べるご飯は同じ。同じ量しか食べられない。金持ちは、二皿も三皿も食べられるわけじゃない。だから人間というのは、お腹が空いたときに一皿のご飯を食べると、ああ、おいしいというふうに作られている。だからお金持ちだからたくさん食べられるわけではないし。本当にお腹が空いているときは、ご飯とほんのちょっとのおかずでも、ああ、おいしかったと感じるでしょう。でも、もうお腹がいっぱいなときにすごいご馳走を出されても食べられないでしょう。それで、ああ十分、これだけあるからありがたいといつも自分で
思えれば、神様はいつもその知恵というものを与えてくれたんだから、それをいつも使って自分で解決していけばいいんです。
いつも続けて、やり続けていけば、必ずいつか正しいものに出会う。でも、得たものが大きいか、小さいかというのはその人のカルマというんですか。必ずやってやり続けて、長くやり続ければ、必ずいつかそれに出会うことができる。あきらめないでいくことです。
taba なるほど。すばらしいお言葉をいただきました。ありがとうございました。では先生のことを少しおうかがいしてもいいですか。先生ご自身は、どなたか昔、こういったことができるようになるように、誰かに師事されたのですか?それとも自分自身で昔から修行をされたのですか。
デワ師 昔は普通のいわゆるバリのドクンというんですが、それをずっとしていました。祈祷師ではないですけれども。当時、あまりに苦労していたもので、しょうがなくてそういうふうになってしまったんですよね。その後、チョコルダさんという先生のところで勉強をしました。15年ぐらい先生についています。まだできません。まだチョコルダ先生のところでこういう身体の機能的なことを勉強しています。まだまだ勉強中です。
taba チョコルダ先生もバリの方ですか?
デワ師 そうです。チョコルダ先生は、ネットでもいっぱい出てくると思います。うちよりもたくさん。先生も同じようにプロモーションしているわけではないんですが、やはりいろいろな人がブログで書いてるんです。体験談を。日本のテレビにも相当出てますよね。チョコルダ先生はね。NHKだとか。いろいろ来ているそうです。私は知らないんですが。でも努力。皆さんが楽しまれるように。その人は幸せになって、長生きして、成功できるようにというのを助ける。それが
もっと皆さん楽しんで生きていけるようにされています。
taba こういった、見ていただいて、ちょっと治療というか、していただくことは、たとえばバリ発祥のものであったり、バリの歴史に関係あったりとかするんですかね。
デワ師 昔からあります。でも、たくさんこういうようなヒーラーというんですかね。いろいろいます。バリにはいろいろな酒類があります。それこそ祈祷師的な
のとか、いろいろなのが。私は、チョコルダ先生ともちょっと違います。身体の機能を重視するんです。だから身体の機能でものを言うので、中国人が来ても、
イスラムの人が来ても、外国人が来ても、誰が来てもオーケーというんですかね。だからバリの、要するにそういうドクンというか、そういうヒーラーの人
は、やはりバリの文化だとか、宗教だとか、バックになっていると、全然知らない人が入ってきてもわかりません。何を言っているのか。信じられない。そういうことがあるんですけど、うちはたぶんそういうことはない。どんな方が来ても理解できる。説明されれば、こうです、こうですと話します。
taba ありがとうございました。
【DJ tabaの感想】
デワ師は、日本で言うところの霊能者ではなく、施術も論理的であり、ユーモア溢れる会話で見も心もリフレッシュさせてくれるバリアンである。よしおの施術後、tabaも足のむくみに施術をして貰ったところ、たちどころにむくみが引き、これには正直ビックリした。今回は、神秘的な力と言うよりも、デワ師の内面世界、宗教観をインタビューする形で聞けたことが大きな収穫だった。神秘的・心霊的世界のみで取り上げられがちなバリアンの世界を、このような形で取材できたことを関係者の方々に感謝したい。
バリアン デワ先生(バリ島のバリアンの中でも特に力が強いと有名な方。)
ワンセッション300,000ルピア(日本円で3000円)
SUNARIPURI~healing massage~
Br.Ambengan Peliatan, Ubud, Bali,
Indnesia
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撮影:DJ taba