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直木賞受賞作家・朱川湊人氏と、『テレビでハングル講座』(’14年、NHK Eテレ)にレギュラー出演し日本・韓国で活動する韓国人モデル兼タレントのジュラン(Juran)さんのふたりが韓国の国民食や習慣などについてあれこれ(韓国語でイゴチョゴ이거 저거)対談。昭和生まれの朱川氏が平成生まれのジュランさんとの世代格差にも負けずと韓国の常識を学びつつ新たな発見をしていきます!

聞く人

image朱川湊人(しゅかわみなと)
196317日生まれ
’05年『花まんま』で直木賞受賞

 

 
 

答える人

imageジュラン
1989918日生まれ
’14NHKEテレ「テレビでハングル講座」レギュラー

 

 

第4回「“ジャージャー麺”の特別な日、ブラック・デー」

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シュカワ 「そう言えばチャジャンミョンは、インスタントのヤツもありますよね? この間、『ファンタスティック・カップル』っていうドラマを見たんですど、その中で作ってましたよ」

ジュラン 「韓国でも有名な作品ですね。原題は『환상의 커플(ファンサンエ コプル)』と言います」

シュカワ 「あのドラマは、ハン・イェスルのツンデレぶりが神懸かってますよね。あんなにきれいな人が、顔面崩壊させてチャジャンミョンを食べるシーンが、もう何て言うか……」

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ハン・イエスル『ファンタスティック・カップル』より

 

ジュラン 「……シュカワさん、どうしたんですか、急に黙り込んでニヤニヤして。ちょっとアブナイ感じですよ」

シュカワ 「すみません、つい自分の世界に入り込んでしまっていました。それにしても、少し言い方がきつくありませんか」

ジュラン 「普通ですよ……あ、そう言えば韓国には、『チャパゲティ』っていう、インスタントのチャジャンミョンみたいなものがあるのを知っていますか?」

シュカワ 「えっ、チャパゲティ? またまたジュランさん、人を笑わせようと思って」

ジュラン 「ホントにあります! お休みの日に『오늘은 내가  요리사!!!』(今日は私がコックさん!)って言って、お母さんの代わりに子供たちがチャパゲティを作るCMが有名なんですよ」

シュカワ 「なるほど……そう言えば、日本にも70年代に『そばゲッティ』っていう袋麺がありましてな。数か月で消えましたけど、あれは強烈な味だったなぁ(遠い目)」

ジュラン 「あぁ、そうなんですか……」

シュカワ 「あっ、今、明らかにドン引いてましたよね?」

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ジュラン 「(ソフトな咳払いをして)とにかく『チャパゲティ』は、人気商品ですね。チャジャンミョンと味は違いますけど、茹でた麺の上にソースをかけて、混ぜて食べるのは同じです。私も、家族に作ってあげたことがありますよ」

シュカワ 「なるほど、日本のインスタント焼きソバみたいなものかな……そうそう、韓国には、彼氏や彼女のいない人が、寂しくチャジャンミョンを食べる日があるって聞きましたけど」

ジュラン 「それは『ブラック・デー』ですね。二月十四日はバレンタイン・デー、三月十四日はホワイト・デーで、『ブラック・デー』は四月十四日です。恋人のいない人が、黒い服を着てチャジャンミョンを食べる日なんです」

シュカワ 「うわっ、イヤな日……彼氏や彼女がいないことが、世間にバレてしまうわけですね。日本になくてよかったぁ」

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ジュラン 「でも食堂なんかで、ブラック・デーのチャジャンミョンを食べている男の子のグループと女の子のグループが、それをきっかけにして出会うこともあるんですよ」

シュカワ 「ふーん、幸せなこって(棒)。でも、出会うだけじゃダメですよね。ちゃんと努力しないと、その次の年も、寂しくチャジャンミョンを食べることになります」

ジュラン 「そうですね……たとえば、日本語勉強中の人の言い間違いをキビしくチェックする人とか、おいしくゴハンを食べている女の子に、『よく食べるねぇ』なんて言う人は、毎年、ブラック・デーにチャジャンミョンを食べていると思いますよ」

シュカワ 「ギクッ……ジュランさん、やっぱり怒ってる?」

ジュラン 「怒ってませんよー」

シュカワ 「目が笑ってない……ジュランさん、ミヤネヨー」

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――と、いうわけで、ジュランさんの丁寧な説明のおかげで、チャジャンミョンに関しては完ペキに理解できました。やっぱり韓国では、大衆料理の王様という位置づけのようです。

さっき名前の出たドラマ『ファンタスティック・カップル』でも、主人公である大富豪のチョ・アンナが、記憶を失くした途端にチャジャンミョンにハマる……というギャップが、物語の大きなポイントになっています。あのドラマを見ると、必ずチャジャンミョンが食べたくなりますので、まだ見てない方はぜひ。ワタシは劇中に出てきた700ウォンのインスタントのチャジャンミョンが、モーレツに食べたくなりました。

ちなみに韓国ドラマの中でも、若者向け恋愛ドラマはあまり得意でないオヤジのワタシでも、このドラマは一気見するほど面白かったですよ。強力におススメします。

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さて今月からいきなり始まった当コーナーですが、ネタの続く限りガンバリますので、ジュランさんともども、よろしくお願いします。あたたかく、長い目でみてやってくださいまし。

ではでは、アンニョン!

 

撮影/Jhoney TERASAKA

取材/上原由加奈 轟友貴

協力/Korean Dining KOSARI TOKYO http://www.kosari.jp/

ジュラン公式サイト WELCOME♡JURAN SMILE http://www.juran-smile.com/


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「ファンタスティック・カップル」 全16話 
特別価格5,000円(税別)
■発売元:テレビ東京メディアネット/エスピーオー/ワコー
■販売元:エスピーオー ■(C)MBC All Rights Reserved. 
エスピーオー公式サイト
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