人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!
知る人ぞ知る商業施設、中野ブロードウェイ。
「オタクの聖地」で知られるが、漫画やフィギュアなどだけではなく有名アーティストのギャラリーに「観葉植物専門店」や「水素専門店」などもあり、実は「こだわりを持つ者が集う場所」としての要素も強い。
そこにあるこだわりの時計販売店「ジャックロード」に今回お邪魔した。
中野ブロードウェイの3階。
明らかに高級そうなオーラ漂う一角が、「ジャックロード」だ。
うさこの人生、これまで全く縁がなかった「時計」。
手首が重くなる感じが苦手で、安物でさえ身に着けたことがない。
時計といえば「ダンディなおじさまがつけるんだろうな…」とよその世界のものでしかなかった。
それがこれだけずらりと並ぶ腕時計を見ていると、まるで博物館のようで面白い。
メンズだけで1,000~2,000個の時計があるという。
「誰かが夢中になっているもの」だということをリアルに感じると、それだけでぐっと面白さが芽生えたりする。
というわけで、初心者でも楽しめる!奥深すぎる時計の世界をご紹介しよう!
◆星座盤に永久カレンダー? 3,000万円以上の技術とは
取材時最高金額のセレスティアル30,565,556円(税抜)。
税金を考えるだけで気絶しそうな数千万円クラスの時計は、
職人がひとつひとつのパーツを作り、手作業で作り上げた「アナログの最高峰」。
時を刻むのみならず、それぞれ「うるう年まで計算する永久カレンダー」「時間になるとお知らせしてくれるゴング」「星座盤」など、
歯車とアナログパーツのみで複雑な技巧が搭載される。
このデジタル全盛の時代に、あえてアナログを選ぶ美学…!
アナログ時計のケースの中に封じ込められるのは「時」だけじゃない。
そこには「技巧」「職人のこだわり」「夢」などいろんなものが詰め込まれているんだ…と知った。
◆同じ型番なのになぜ!? 約100万の金額差
全く同じ「ROLEXエクスプローラー1966年製 自動巻き」だが、
257万に162万とお値段に100万近い差がある。
これはダイヤルの経年変化の違いによって値段が変わるかららしい。
肉眼でよ~~~く見ると、左の時計のほうのダイヤルは右の時計と違い茶色く褪せているのだ。
これだけ小さい差が、100万円という膨大な金額の差を生む。
なんて繊細な世界なんだろう…。
「時を経て色を変える」というのは、大切にされたアンティークにしか起こりえない奇跡。
1966年製なら、約50年分その商品に触れてきた人の思いが詰まっているのだ…と思うと、
歴史の奇跡を目の当たりにしているような気持ちになる。
「ジャックロード」の隣にはレディース向けの姉妹店「ベティーロード」が併設。
レディースは見るからに豪華絢爛!カラフルなベルトやきらびやかなダイヤが眩しい。
内側に秘めた技術力が求められるメンズとは違い、ほとんどが電池式だという。
時間見る気ある!?と問いたくなるほど文字盤が小さく、まるでブレスレッドのよう。
「ファッションアイテムがたまたま時を刻んでいたという感じのものも多いです」と店員さんは語った。
さらに奥には「ベティーロード」のジュエリー店も構える。
店員さんのやさしい接客が炸裂し、明らかに買える財力のない小娘にもたくさんの話をしてくれた。
「もしも着けてみたいのがあったら教えてくださいね~」
「着けられる!!!?????」
「はい、試着していただけますよ」
まさかのお申し出で
700万のダイヤモンドがギラギラ輝く時計や、
2100万のイエローダイヤを身につける…!
緊張して硬直する指。
お次は200万のネックレス…!
「先ほどのイエローダイヤもそうですが、こちらもこれだけのものなのにノーブランドなのでお安いんですよ」とのこと。
なるほどお安い…お安い…???
もはや出てくる数字に馴染みがなさすぎて金銭の感覚が麻痺し、
「確かにこれで200万なら」と錯覚し始める。
「こんなに気軽に試着させてくれて、もしわたしが着けたまま走って逃げ出したらどうするんですか?」という質問には、
「もちろんセキュリティはきちんとしてますので即捕まえます。」とのお答えでした。
そりゃそうだ。
中には10万円前後で買えるようなジュエリーや時計も多く、
安物のアクセサリーで着飾るよりも「どうせ買うなら本物の良いものを身に着けたほうが…」と思わされる。
ちょっと頑張れば手が出せるのだ。
子どもの頃祖母に「この指輪はいつ買って…」と自慢されても良さが全く分からなかったが、
大人になって見てみてわかる。
自分の力で購入した良いもので着飾ることが「自分が頑張って歩んできた軌跡」になるんだろう。
努力の証拠だからこそ、身につけると一層輝くのだ。
だからこそ仕事を頑張る人こそ「時計」や「ジュエリー」といった世界に魅了され、
それを身に着けることで自身を成長させてまた仕事を頑張る。
そんな「高級」なだけじゃない、「高貴」さがここにはあるのかもしれない。
メンズ腕時計専門店「ジャックロード」http://www.jackroad.co.jp/
レディース腕時計&宝石専門店「ベティーロード」http://www.bettyroad.co.jp/
東京都中野区中野5丁目52-15 中野ブロードウェイ3F