近頃、手紙を書くことはあったでしょうか
わたしは最後の砦だった年賀状でさえ送らなくなり、
自分の深刻な手紙離れを感じていた。
そんな中、住所非公開でできる『文通村』に出会った…!
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!
昔から筆不精なのに加え、
パソコンや携帯と言った電子機器の奴隷となってしまったわたしは
全くアナログで文字を書く習慣がない。
かつては―――筆不精ながらも友人と交換ノートで情報を共有しあい、
秘密の日記帳に恥ずかしポエムを書き綴っていたのに
今では毎日パソコン、パソコン、そしてパソコン…。
稀に文字を書く機会があると、
あまりの漢字の書けなさにびっくり。そんな人も多いのではないだろうか?
ほんの十数年前は
雑誌の一番最後のほうに「文通友達募集コーナー」があったりして、
住所や本名・趣味が惜し気もなく晒されていたなんて今の子が知ったらびっくりするかもしれない。
個人情報保護の意識が強くなった今では、文通したくても怖くてできない。
そう思う方に朗報です。
なんと2010年代には個人情報を守りながら文通ができるネオ文通システムが誕生していたのだ。
その名も『文通村』。
(公式HPより)
登録すると、お江戸通り○番地、めんこい通り○番地など文通村でだけ使える特別な住所が与えられる。
手紙は文通村に送ればそこから月2回の会報と一緒に相手まで届けてくれるので、
公開するのは文通村での住所、ペンネーム、自己紹介文だけで済むのだ。
なんという安心感…!プライバシーを守りながら文通を楽しむことは可能だった!
筆が遠ざかりまくってるデジタルうさこも、
ここでひとつアナログの素晴らしさを感じたくて
文通村を体験してみることに。
3ヵ月、筆不精が試行錯誤の体験の中で、噛み締めた喜びを皆さんにも紹介したい。
<文通村を体験してうれしかったことベスト3>
1.風船便で手紙が届く!
文通村にある「風船便」という制度。
これは、「知らない誰かに手紙が届く」というもので、
文通村によってランダムに(多くは文通村を始めたばかりの人に)届けられる。
文通では自分からアプローチしないと誰からの手紙もない…ということも多いが、
自分から行動しなくても「風船便」で手紙が届くというありがたみ!
「誰に送ろう…」と悩まずとも「この人に返事を書こう!」という分かりやすい目標ができるため
気張らず文通を始めることができる。
自分が知らない「誰か」にも関わらず一生懸命手紙を書いてくれた人がいる…という事実に胸が熱くなった瞬間だ。
2.自己紹介文を見た人から手紙が届く!
文通村で毎月2回発行される会報「ふみびと」。
そこには“村人(文通村を利用している人)”たちの情報がずらりと並ぶ。
「手書きの文字が好きで、誰かと文通をしてみたいと思っていました」
「内気で消極的、そんな自分を打破したい」
「レターセットやマスキングテープ集めが趣味なので」
「母、主人を亡くしひとり暮らしなのでいろいろなおしゃべりをして楽しく過ごしたい」
そこにあるのは、それぞれの始めた理由。
「ガーデニングを始めたいと思ってます」
「ピアノに興味があり、習い始めようか悩み中…」
「手紙が大好きで、高校生の頃は50人くらい文通相手がいました」
さまざまな趣味。
顔も何も知らないのに、文字を通してその人の「生き方」が見えてくる。
人は一人一人ストーリーを持っているんだ…。
そんな中、数いる村人の中からわたしの自己紹介(取材で文通を始めた健康オタクです!という旨)を見て
「昔書く仕事を志してました」
「よかったら私と文通してくれませんか?」と、手紙を送ってくれる人がいた。
興味を持ってくれる誰かがいて、そこから始まるコミュニケーションに…また胸が熱くなる。
3.送った手紙の返事が届く!
自分が書いた手紙に対して、返事が来るのもうれしいもの。
「旅行が趣味と書いてありましたが、どこが一番よかったですか?」
「わたしはスペインが好きでした」
「いいですね!」と、わたしの言葉に対して
相手が反応してくれる。
時間をかけながら、ゆっくり相手のことを知り、自分のことをお教えする
邪魔するものもいない、手紙というふたりきりの場所。
たくさんの情報を一度に知れないからこそ、想像を膨らませて情景を浮かべる。
そこには、「相手に興味がある」「自分に興味を持ってくれている」が前提の、他にはない関係性があるんだな…と胸が熱くなった。
文通がいかに胸をあたためるかお分かりいただけただろうか。
おかげでポカポカだよ!!
わたしは文通村を始めたころ、久しぶりに手紙を書くためまずはレターセットを買いに出かけた。
文房具屋はもちろん、今は100円ショップでもかわいい便箋やシールが買えるので
気楽に手紙を充実させることができる。
デジタルに慣れすぎたわたしは、はじめから紙に手書きするという勇気を根こそぎ失ってしまったため
直接手紙に文章を書くことができない。
まずはパソコンのメモ帳で手紙の内容を試行錯誤して作成したのち、可愛げ溢れるペンで書き写した。
気持ちを込めて届ける分、
相手からも気持ちが籠った手紙が届く。
「手書きのあたたかみ」と世間ではいう。
あまり実感が湧かなかったけど、いざ文通をやってみて
それには相手の「時間」、「労力」、そして「気持ちの交流」があった。
お手紙は本当に暖かい!
『文通村』
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