1990年前後からデジカメやスマホが普及するつい数年前まで、
人々に深く浸透していた「インスタントカメラ」。
手軽に持ち運びができる使い捨てカメラ“写ルンです”、その場で現像される“チェキ”なんかは
多くの人が馴染みのあるのではないだろうか。

 

近頃、このデジタル時代にも関わらずそういったカメラが再び盛り上がっていると聞きつけた。
しかも使っているのは若い女の子だと言う。スマホで写真が簡単に撮れる今、何故?
実際にカメラを使って確かめてみよう。

 

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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!

 

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今回わたしが検証のために集めたのはこの3つ。

 

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チェキ、写ルンです、コダックのスポーツ防水使い捨てカメラだ。
実際に手に取って、カメラ女子をエンジョイしてみる。

 

<チェキ>

 

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「世界で一番かわいいカメラ」と言われているだけあって
まず見た目がめちゃくちゃかわいい。
この“チェキ” instax mini 8+。
カラーはバニラ、ミント、ストロベリー、ハニー、ココアの5種。
無性に悶えたくなる溢れる女子感……!!
持っているだけでかわいいカメラ女子になった気分だ(気のせい)。

 

ほどよい重量感。手のひらにちょうど収まるサイズ。
シャッターを押せば、カメラの上部からフィルムが出てきて
徐々に発色されていく。

 

わたしは公園で気持ちよく写真を撮っていた。
寝転がる猫、咲き乱れる桜、
よく晴れた春の公園には素敵なモデルがいっぱい。
あっちもこっちもと、わたしは撮っていたがそんな時に事件が起きた。

 

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いつまで経っても猫ちゃんが現れない。

 

それもそのはず、チェキにはいくつかのモードがあって
「めっちゃ晴れてる日」にダイヤルを合わせないと光で景色が白飛びしてしまうのだ。
さっきわたしが「なんやこのかわいい猫ー!!!最高のシャッターチャンスいただきや!!!!!」と思った猫は

 

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無残な姿でフィルムに収まった。
しかし、間違えた設定が

 

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逆に水彩で描いたみたいな味になることもある。

 

自宅で自作うさこを撮ろうとしたときは、
何度撮ってもファンダーで見た世界と違うものが出来上がることに苦しんだ。

 

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逃げ回ってんのか。
でも考えてみれば

 

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これだけ距離があるんだから当たり前だった。
とはいえ、ミスショットも「芸能人のプライベート写真流出」くらいの謎のセクシーさがある。
うさこでこれなんだから、
きっと実際の女の子をこんな風に撮ったらドキドキが止まらないだろう。

 

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デジカメの失敗は大概失敗だけど、
インスタントカメラだからこそ「失敗も成功のうち」という部分がある。
予想外のものが出来上がって味になる、
それがインスタントカメラなのかもしれない。

 

<写ルンです>

 

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十数年ぶりの再会。久々に持ってみると衝撃の軽さ。持ち運びにもってこい!
フィルムを巻く、フラッシュをつけるかつけないは選べる、シャッターを押す、
機能はシンプルでそれだけ。
フィルムを巻くギリギリいう音の懐かしさに、使い捨てフィルムを使ってたあの頃のいろんな思い出が蘇ったが
今写ルンですを愛用する子の中には昔を知らず「何これ!斬新!」という子も少なくないらしい。
どんなに早く出来上がりが見たくても、フィルムを撮りきるまでが写ルンです。
旅行に持って行って、フィルムが余ったら無駄に家の中を撮ったりしたものだ。
全部撮りきったら今は絶滅危惧種になりつつあるカメラ屋さんに持って行って、
現像しネガと一緒に現像した写真をもらう。
わたしは昔ネガを透かして見るのが無性に好きだった。

 

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なんだろう?今見るとすごくレトロな仕上がり……!
Twitterで「#写ルンです」というハッシュタグがあるほど人気の理由は「盛れるから」だ。
チェキと同じく、ならではの独特な風合いが若い世代にウケている。
加工フィルターをかけなくても、
自然にフィルターをかけてくれる……写ルンですはそんな魔法を備えている。

 

<コダック防水>

 

かねてから、「もし明日沖縄の離島へ行ったら」と妄想を重ねる中で
「写真を撮りたい。でもデジカメやスマホだと防水ケースがあっても万が一を考えると怖いなぁ~」と防水対策を懸念していたが、

 

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使い捨てフィルムの防水カメラなら何のためらいもなく水中に沈めることができる!
なんと水深15メートルまで耐えられるらしい。

 

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わたしは使ってみるべく水辺へ向かったが、
都会の砂浜付近で綺麗なものなんて撮れるはずもない。
そこでカメラマンの古賀学さんが生み出した『水中ニーソ』よろしく
「水の中で女の子を撮ると光が乱反射して幻想的にかわいく見える」というテクニックを盗んでみることに……。
用意したのはバケツと綺麗な石、そして以前「大人が夢中になる!ときめき詰まったガチャポン会館」で獲得したぽっちゃりなバレリーナ・ポッチャリーナ。
ここで小さなプールを作って検証する。満を持して、ポッチャリーナを水に沈めた……!

 

▼BEFORE

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▼AFTER

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スマホで現場を確認すると、確かに水中の女の子(※ガチャポン)は凹凸を失って非・現実的な魅力を持った感じがする……!
しかしいざ現像してみると、

 

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そこにあるのは光量不足で恐ろしくもやっとした写真だった。
カメラ屋のお姉さんいわく、
「こういったカメラはすごく光を必要とするので晴れた日専門ですし、晴れた日でも濁った水などでは太陽の光が届かない時もあります。すごく難しいんですよ」とのこと。
なるほど……。
この現像を終えての悲喜こもごもも、インスタントカメラならではの楽しみだな……!
水中カメラはやっぱり沖縄の離島で使おう!!!(教訓)

 

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スマホで気軽に写真を撮れるようになった時代、
今の子たちが求めているのは「撮る」よりもう少し先の「よりよい(かわいい、オシャレな、SNS映えのする)写真を撮る」というところにある。
そこで「チェキ」や「写ルンです」が再度フィーチャーされると誰が思っただろう?
若い子たちの嗅覚は、わたしたちの想像や常識を越えて「かわいいもの」を探し当てる。

 

写真を撮るだけ撮って見返さないことも多いほど
「写真」より「撮ること」に重きが置かれてしまうこの時代だからこそ
もう一度インスタントカメラに立ち返るのも面白いかもしれない。

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