image

9月19日、安全保障関連法案が成立してしまいました。
多くの憲法学者や弁護士たちが違憲だと述べ続け、多くの国民の理解も得ないままのどさくさ強行採決。
人々の命や生き死にがかかっている重い法案が、わめいて殴っての茶番劇の中で通過。
8月の川内原発再稼働といい、この安保法案成立といい、現政権にはやるせないきもちでいっぱいです。

安保法案成立を受けて、緊急で立ちあがった「憲法✕政策カフェ」。
安保関連法案に反対するママの会@神奈川さんが主催されたこのセミナーに、先日参加してきました。

image

トークは、元通産省官僚の古賀茂明さん。
そして「明日の自由を守る若手弁護士の会」の弁護士武井由起子さん。
武井さんは、憲法カフェで安保法案の違憲性や危険性を分かりやすく楽しく伝えて続けてきている方です。

古賀さんの現政権に関する解説は非常に分かりやすく、安倍首相がどれだけ原発や戦争が大好きであるかがよく分かりました。

image

古賀さんいわく、アベ政治=原発・武器・カジノとのこと。
会場からは苦笑した声があちらこちらから聞こえてきました。

そして、原発がいかに時代遅れで過去の産物であるかということも実感。
世界を見渡せば、自然エネルギーで電氣をまかなっていく方向に、随分前からシフトチェンジしています。
例えばドイツでは、2011年9月に原子力発電事業から撤退すると発表
。ドイツの総合電機大手のシーメンスは、自然エネルギー関連の受注が多すぎて、現在は生産が追い付かず、納期まで2年待ちだとか。
自然エネルギー分野での売上や利益が上昇していて、経済成長にも良い影響を与えているそうです。
あのアメリカですら、2000年を過ぎた頃から原発は経済成長に貢献しないという理由からシェアを縮小し続けていますし、中国では、世界全体の45%にあたるほど多くの風力発電を新設していて、成長拡大をしています。

事故後の片づけも終わってないまま、“復興”の名のもとに人々や
子どもたちを戻したり閉じ込めたりするなんて

さて、日本はどうでしょうか?
今年4月に自民党が示した2030年の総発電量に占める「ベースロード電源比率」。
そこでは、2010年時点に戻して、現在稼動していない原発による電力供給を2割程度必要とすると書かれています。
まさに時代を逆行…。
しかも原発事故を起こした国でもあるにも関わらず、まるで事故なんてなかったかのよう。

古賀さんは以前、自民党の小泉進次郎さんとお会いになったときに、彼は自民党の四つの大罪を次のように認めたそうです。
①借金大国をつくり続けてきたこと
②少子高齢化を放置し続けてきたこと
③日本を成長できない国にしたこと
④原発神話をつくって福島原発事故を起こしたこと

原発神話と福島原発事故を大罪として認めているのに、原発推進しているのはおかしなことです。
この2年間一度も電力が足りないことはなかったのに、8月には鹿児島県の川内原発が再稼働。
しかも同じ九州では、桜島や口永良部島や阿蘇で噴火しているという危険な状況にも関わらず。

そして、わたしがいま一番危惧しているのは、福島強制帰還の動き。
今年の初め、安倍首相は福島復興再生特別措置法の改正案を提出して閣議決定し、公布されました。
この内容をシンプルに言うと、福島(汚染地域含む)に帰還する人や定住する人には支援、帰還しない人には支援しない、というようなもの。
しかも、年間被ばく量20ミリシーベルトを超えるようなおそれがある地域に。

原発事故前までの日本の法令では、年間被ばく量は上限1ミリシーベルトでした。
それが、原発事故以降は急に20ミリシーベルトに引き上げ。
チェルノブイリでも5ミリシーベルトです。
わたしたち日本人は放射能に強い特別なカラダを持っているとでも言うのでしょうか?
そうではないから、いま福島では子どもたちの身体に異変が起きているわけです。
なんの罪もない子どもたちが犠牲になるなんて、胸が張り裂けそうな思いです。

今年の春に開校した、福島県立中高一貫校「ふたば未来学園高」。
福島第一原発から30km圏内の広野町にあります。
国が関わって放射線量が高いところに子どもたちの身を置かせるなんて信じがたいことです。
(※こちらに通われているお子さまやそのご家族を批判しているわけではないことをどうか御理解ください。あくまで政府が行っていることに対して述べております。)
これを推進したのは復興大臣政務官である小泉進次郎さん。
自民党の四つの大罪のひとつに、「原発神話をつくり福島原発事故を起こしたこと」を挙げたご本人です。
事故後の片づけも終わってないまま、放射能をまき散らしたまま、“復興”の名のもとに人々や子どもたちを戻したり閉じ込めたりするなんてあまりに酷い!
汚染地に住民たちを帰らせて、早く賠償を打ち切りたい政府の狙いが見え見えです。
原発神話の次は放射能神話をつくるつもりでしょうか?

みなさん、「エートス政策」という言葉を知っていますか?
これは人体実験政策のことを指します。
原発事故以降、福島のみならず日本国内で起きていることが、わたしにはエートス政策のようにしか見えません。
あの事故で散ったセシウム137は、広島原爆168個分以上。
日本人に放射能を浴び続けさせ、汚染地に留まらせ、汚染された食べ物を食べ続けさせたらどうなるのか。
まるでわたしたちはモルモットのようです。
「食べて応援」は、東電や国の賠償責任逃れの一番の口実になりますが、エートス政策の一味も担っているのはないか、とわたしはずっと考えてきました。

現政権になってから、安保法制の一連の流れや原発関連の動きを見てきて感じることは、彼らにとって国民とは駒(兵士)やモルモットのような存在でしかないのではないかということ。
いいように使われないぞ!という、人間の誇りと尊厳を持ち続け、強い意志をもって闘うつもりです。
これ以上原発を再稼働させないためにも、怪しい動きがあったら声を上げて早めに芽を摘んでいきましょう!

関連カテゴリー: