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何度かご紹介している『アナスタシア』。わたしの愛読書であり人生のバイブルです。(詳しくは、第51灯第64灯をお読みください)

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シベリアのタイガに住む現代文明と関わらない美しき女性アナスタシアが、叡智とも呼べる言葉で地球や人間や自然について説いている小説です。人間と自然が調和して生きる術が書かれていて、この本を読むと地球愛が深まるとともに、持続可能で健やかな地球の未来を築きたい!と情熱が湧いてきます。

この本の大きな軸が、「祖国」づくり。祖国づくりとはアナスタシアの提言している家づくりのことです。それは、1ヘクタールの土地を手に入れて、その半分の土地には木を植えて森にし、周囲にも同じく木を植えて生きた塀をつくり、残りの土地にはセルフビルドで小さな家を建て、野菜や果物や穀物を栽培する暮らし。この土地は「一族の土地」とも呼び、楽園のような幸せな暮らしは脈々と受け継がれていき、子孫たちは大きく育った木で新たな家をつくっていきます。

アナスタシアは、この一族の土地は国が無償提供し、そこで採れた農産物やハチミツやそれらでつくられたもの(ジャムなどの食品から木製品など)は課税されず、自由に売って収入を得ることができなければならないとしています。人々がこのような生き方を選択し、国が当たり前のこととして支援することで、自然と調和した暮らしが可能となり地球環境もよくなっていくと書かれています。ちなみに、日本には「屋敷林」という家づくりが戦前まであり、これも土地の半分を森にした暮らしだったそうです。昔から人間は木を育てることを前提として、持続可能な地球を受け継いできたのかもしれません。そう考えると、山や林を崩してマンションや戸建て住宅を建築する現代の家づくりは、地球の未来が危ぶまれます。

実際にロシアでは、アナスタシアから影響を受けた人たちが祖国をつくり、現在220か所の祖国コミュニティ(エコヴィレッジのようなもの)がすでにあり、ベルゴロド州がいま力を入れて移住や入植を推奨しています。こちらはそのパンフレットです。

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また、ロシアだけでなくエストニアなど諸外国でも続々と生まれています。そして、著書のウラジーミル・メグレさんが政治家に働きかけ、ロシアでは「家族の党」という新たな政党が生まれ、この祖国づくりが国の政策として承認されるべく、現在議会で三度目の審議に入っています。一冊から始まった本が人々の心に火を灯し、行動を変え、そして国をも動かしているんですね!

今年4月、アナスタシア・ジャパンが祖国コミュニティを巡る旅を企画されたので、熱い想いをぶつけて応募したところ、幸運にも旅仲間に入れていただくことができ、ベルゴロド州などを巡ってきました!祖国で暮らす人々を目の当たりにして、人間でも地球を美しくする暮らしができることを学び、大きな希望を持って帰国しました。佳き地球の未来をタイムトラベルして見てきたような感覚です。今回は、前編後編二灯に渡ってご報告を兼ねてその内容をお伝えします♪

ここには税収など利益の追求ではなく、市民の幸せを前提とした政治があった

成田空港から10時間半かけてモスクワに到着して、そこから夜行寝台列車に8時間乗って、翌朝ベルゴロド州に無事到着。

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この日の午後、州政府祖国法案審議会の会長を務める政治家や、祖国コミュニティをまとめている組織の副代表との会談が、市庁舎のようなところで行われました。

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この州では2011年に法案を出してから3年かけて実現し、現在6か所のコミュニティがあります。アナスタシアの提言する無償提供ではなく、貸出として1ヘクタールの土地を49年間与えますが、更新も相続も可能です。貸出代としてその土地にかかる税金のみを納めます。この政策は利益を目的としたものではなく、住む人が快適な生活を送ることを目的として実施されています。まさに始まったばかりで発展段階ですが、これから州レベルで支援プログラムを充実させていくそうです。

なぜここまで力を入れるのかお聞きしたところ、前市長がアナスタシアの大ファンだったとのこと!市の職員たちは、半ば強制的に本を読まされたそうです(笑)。やはりこの本を読んだ人は、動かずにはいられなくなるんだなあと実感。もちろん会長もアナスタシアを読んでいますが、とても冷静で客観的な方で、このプログラムについて次のように語ってくださいました。

「本に書かれている精神論的な部分は別にして、この祖国づくりは人間が地上で生きていくうえで、自然や周りの人と調和して暮らせる素晴らしいアイディアだと、一政治家として確信しています。一族の土地の考え方は素晴らしいと思います。なぜなら、先祖から子孫へと温かい家庭を代々築いていけるもので、ただ家を建てるのとは、心の状態が違うからです。行政に携わる者として、この土地の提供を当たり前で自然なこととして広めていきたいと思っています。本自体も、ロシアだけではなくヨーロッパやアメリカや中東など世界中で読まれていて、とても影響の大きい本です。祖国づくりの発展・普及に今後も尽力していきたいです」

税収など利益の追求ではなく、市民の幸せを前提とした政治が、いまの時代に存在していることに驚きました。もちろんこの一族の土地プログラムには税金が使われるのですが、そのやりくりは明瞭でクリーンでした。それゆえ、反対する市民は一人もいないそうです。残念ながら日本では、税金の無駄遣いや「ムラ」を中心としたおカネの使われ方が、市町村レベルまで染み込んでしまっています。人間の幸福や健康や美しい地球の未来に想いを馳せ、純粋なきもちで政治と向き合っている政治家に逢えて希望が湧きました! 後編では、実際に祖国で暮らしている方々の様子をご紹介しますので、楽しみにしていてください♪

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