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前灯で、地球を苦しめるトイレの排水をなんとかしたいと願っていたところ、奇跡の装置に出逢えたことをお伝えしました。今灯は、そのご紹介です!

 

その装置の名前は、「あ・うんユニット」。既存の水洗トイレに、微生物の菌床が入ったタンクを接続することで、タンク内の微生物が汚物やトイレットペーパーを分解処理して液肥に変えます。それを家庭菜園に撒けば、お野菜が立派に育ちます。毒を薬に変えて、さらには宝を生み出すようなイメージです。地球を汚す排水問題を解決し、液肥を作り出し、それを撒いた大地は土壌菌が活性して力づき、お野菜の収穫量が増えるという、一石三鳥とも四鳥ともいえる素晴らしいものです!

 

ポイントは「複合発酵」。一般的な微生物培養技術では、空気を嫌う嫌気性菌と空気を好む好気性菌は共存できないと言われています。しかし、この「あ・うんユニット」は、環境微生物博士の高嶋康豪氏が、両方の菌が共存培養できる複合発酵技術を開発したもので、通常よりも驚くほど分解・発酵効果が高いのが特徴です。それゆえ、トイレや液肥は匂いません!

 

この「あ・うんユニット」を繋げてくれたのは、わたしの大好きなアナスタシアです(※アナスタシアについては、第64灯をお読みください)。先月、アナスタシア監修者の岩砂晶子さんをわが家にお迎えして、4月に一緒に巡ったロシアの旅の報告を兼ねたお話し会を開催しました。

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会終了後に談話しているときに、岩砂さんがこの「あ・うんユニット」をご紹介くださったのです。実は、わたしは以前から知っていたので、思わず「知ってます!ずっときになっていたんです!」と身を乗り出して叫んでしまいました(笑)

 

取り扱っていらっしゃるのは、埼玉県日高市にある柳田ファームさん。オーナーの柳田さんもアナスタシアの愛読者でいらっしゃいます。岩砂さんが柳田さんに直接ご連絡してくださり、見学させていただける運びとなりました。アナスタシアを愛する者同士が繋がり、地球が抱える問題を解決に向けて一歩踏み出された瞬間です!快晴となった梅雨の合間のきもちいい日に、柳田さんご本人と、「複合発酵あ・うんの会」のメンバーにご案内していただきました♪

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こちらは養豚場を経営されているのですが、豚たちの排泄物を複合発酵していて処理しているので、驚くほど匂いません!

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一般的な養豚場は、周囲100メートルに悪臭を放つそうで、排泄物のたまり場では息もできないほどだそうです。しかし、排泄物が混ざった第一浄化槽のそばに立っても、多少匂うもののまったく平気です。こんなに近くで長時間居られることは、他の畜産農家の人が見たら驚く光景だそうです。

 

江戸時代の「肥だめ」原理と、最新の微生物化学を融合させた

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この「複合発酵」の技術を取り入れるまでは、一般的な養豚場と同じように悪臭を放っていたため、近隣から苦情があったそうですが、いまは養豚をしていることも気づかれないほど、平和な畜産農家となっています。

 

高嶋博士のこの複合発酵の技術を集約・応用して、柳田ファームで開発された家庭用浄化槽が「あ・うんユニット」で、豚の汚水処理を人間の下水処理に変えたものと言えます。ここでは農場の中央に設置してありますが、もちろん室内のトイレにも使えます。

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排泄物やトイレットペーパーが混ざった排水を受け取って溜めるタンクがこちらです。土中に設置するので、2m×1mのスペースが必要です。

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一つ目のタンクが排水を受け取って発酵して、4~5時間止めて菌を沈めて、吸水ポンプで上澄み液を次のタンクに送り、発酵させることを繰り返します。タイマーセットして動かすだけなので、実にシンプルな仕組みです。タンクの首は地上から出して設置するのですが、顔を近づけて嗅いでみても全く匂わないんです!複合発酵のチカラを感じます!

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最終的にできた液肥をエナジー水と呼び、お野菜や果樹や穀物に撒いて育てています。驚くほど元気で立派な作物が育っていて、そのパワーに圧倒されます!

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わたしも家庭菜園でお野菜を一年中育てていますが、こんなにも鮮やかでたわわに実る野菜をつくれたことはありません。ご厚意でスイカをご馳走になったのですが、あまりの美味しさに感動!

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カラダの細胞ひとつひとつが、「ずっとこういう食べ物を待っていた!」と叫んでくる声が聞こえてきます。

 

理想の循環型社会だったとされる江戸時代の「肥だめ」原理と、最新の微生物化学が融合した「あ・うんユニット」。時代が違えども共通している点は、微生物による発酵です。微生物は46億年前の地球創生期から存在していて、地球の浄化・還元作用を担っていると言われています。動植物は微生物と共存・共生の関係にあって、人間も腸内細菌に代表されるように、微生物と共生しています。味噌や醤油や糠漬けなどを手作りしているわたしは、微生物に生かされていることを常に実感しています。

 

柳田さんは、「このあ・うんユニットは、菌たちと共に暮らすことを意識し、彼らを育てるという考えや想いに理解がある人にぜひ使ってほしい」とおっしゃいます。微生物がもたらしてくれる恩恵をよく理解されている方だからこそ、命を大切にする温かなお人柄が伝わってくる言葉だと感じました。また、「地球を救うには、家庭という社会の最小単位から世の中を変えていくことが大切です」とおっしゃっていたのが印象的でした。このオフグリッド生活を選択したのも、まさに同じ理由です。志を共にする地球想いの素敵な方々と出逢えたことに、いま喜びでいっぱいです!

 

【柳田ファームHP】http://yanagida-farm.com/farm/

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