アラフォーからでも始められる簡単で効果的なエクササイズとは?
26年目のシーズン真っただ中のプロサッカーリーグ「Jリーグ」。今夏のワールドカップ後、これまでにないほどの世界的スーパースターの加入が話題となっている。
スペイン代表や超名門クラブ・FCバルセロナの一員として数多くの栄光を手にしたアンドレス・イニエスタ選手(ヴィッセル神戸に加入)や、フェルナンド・トーレス選手(サガン鳥栖に加入)など世界的レジェンドたちの来日は大きな注目を集めている。
そんなJリーグに今シーズン、もう1人、別の意味で話題となっているレジェンドが加入した。
それが水戸ホーリーホックに加入した安彦考真選手。なんと40歳でのプロサッカー選手となったオールドルーキーだ。
現在、公式戦デビューをめざして練習に励むアラフォーの新人選手が、プロを目指し始めたのは昨年秋。「まずはプロアスリート仕様の体に鍛え直す」と指導を仰いだのが、IWA ACADEMYの木村匡宏トレーナーだった。
「若い頃にプロを目指していた時期はありましたが、20代以降ほとんど本格的に体を鍛えてなかった。そんな状態でプロサッカー選手になるための肉体改造をするならこの人を頼るしかいないとお願いしました」
短期間でのプロ仕様の肉体改造の指導を依頼された木村トレーナーは、安彦選手の世間的には無謀でも本人の熱い想いを受けて快諾。そこから木村トレーナーを中心とした特別チームが結成され、プロを目指す安彦選手を全面サポートした。
木村トレーナーが在籍するIWA ACADEMYは、メジャーリーガーの岩隈久志投手が共同オーナーを務める高級スポーツジム。岩隈投手や安彦選手だけでなく、プロ野球選手やJリーガーなど多くのトップアスリートがこのジムに集い、木村トレーナーの指導を受ける。またトップアスリートだけでなく、次代の日本代表をめざす学生アスリートも指導する木村トレーナー。
「僕のトレーニング指導は、身体の使い方に主眼を置くので、足先から手先までの体のつながりを出していきます。例えば『足の指』。足の指の動きを良くするだけで、すぐにプレーの質が格段に上がる選手も少なくないんですよ」
独特の指導理論で、数多くのトップアスリートのプレーの質を劇的に向上させてきた木村トレーナーが、プロ選手のめざす安彦選手に行ったトレーニング指導の中心は、体幹と股関節へのアプローチだった。その中でも効果的だったトレーニングが、相撲の動きとしてよく知られる『四股』の動きを取り入れたトレーニング。
「股関節は360度動く関節でもあり、すべての動きに重要な役割を担う関節ですが、効果的に鍛えることが難しい部位でもあります。その点、四股の動きは股関節の可動域を広げるのに最適なんです。だから四股はトップアスリートだけでなく、子どもたちにも積極的にやってもらっています。」
もし安彦選手がJリーグ公式戦でデビューすれば、Jリーグ史上最年長でのプロデビュー記録を更新する。ゴールを決めればリーグ史上最年長初ゴールとなる。
ちなみに、現在の史上最年長初ゴール記録は、ブラジルの英雄“神様”ジーコが、1994年のJリーグ開幕戦で決めたゴールだ。ジーコはそれまでに世界のトップリーグで大活躍をした実績を引っさげて40歳でJリーグに参加した。一方の安彦選手は40歳になるまで一度もプロの世界でプレーしていない。安彦選手の40歳デビューがどれだけ規格外かがわかるだろう。
「本当にプロとして契約を勝ち取れるかわからない段階から、木村トレーナーは真剣に向き合い、本気でトレーニングを指導してくれた。僕が40歳でプロサッカー選手になれたのは数え切れない人のサポートがあったからですが、その中でも木村トレーナーへの感謝の気持ちは大きいです。ぜひジーコを超える記録を打ち立てて、日本中のアラフォー世代に勇気を与える存在になりたいですね」
そう語る安彦選手が、木村トレーナーから指導を受けたトレーニングの中で、特に効果的だと感じたトレーニングメニューを2つ、今回と次回に分けて紹介する。
40代からでも簡単に始められ、一般の人にも効果抜群の簡単エクササイズ。日常生活をより活動的に過ごせる身体作りをめざして、ぜひ木村トレーナー直伝の「アラフォー向けエクササイズ」を試してみてほしい。
(右)安彦考真(あびこ・たかまさ)
水戸ホーリーホック所属/ポジション:FW/背番号:41
1978年2月1日生まれ/神奈川県出身
(撮影:影山裕之)
アラフォー世代向け簡単で効果抜群エクササイズ(1)<四股>
「四股の動きは下半身の大きな筋肉を刺激します。夕方にこのエクササイズを行って体温を上げることで、夜の睡眠時に体温が落ちていく勾配をつくれるので、睡眠導入にも最適のエクササイズです」(木村トレーナー)
1)イスなどの台に掴まりながら、左足のつま先とヒザを斜め45°くらいに開く
※ポイント:つま先とヒザを同じ方向に向ける
2)左足に体重を乗せ、上げる高さは気にせず右足を上げられるだけ上げる
「OKの姿勢」
→しっかりとヒザに力が入る状態
「NGの姿勢」
→ヒザが内側に入るとヒザを痛める危険性あり
3)ヒザと太もも裏の筋肉がしっかりと伸び切るように右足の太ももの前側に力を入れる
※ポイント:太もも裏の伸びを十分に感じるくらい伸ばす
4)上体でバランスを取りながら、右足が完全に伸び切ったところで3秒キープ
※ポイント:この状態でバランスを意識することで体幹も鍛えられる
5)足を変えて、逆脚で同様の動きを行う
6)この動作をゆっくり5回ずつ左右交互に行う
【協力店舗】
IWA ACADEMY
http://iwa-academy.com/
■住所:〒102-0085 東京都千代田区六番町1-7 K-PLAZAビル
■TEL:03-6265-6688
■営業時間:<平日>10:00~22:00/<土日祝>11:00~19:00
メジャーリーガー岩隈久志投手が共同オーナーの総合スポーツ施設。経験豊かなトレーナー陣のもと、「PRACTICE」(実践)・「RECOVERY」(回復)・「STRENGTH」(強化)の3つのサイクルで、ボディメイク・トレーニングを指導。メジャーリーガーやプロ野球選手はもちろん、Jリーガーやオリンピック選手などさまざまな競技のアスリートがオフやシーズン中のトレーニングなどで利用する最新の設備が整った会員制複合型スポーツ空間。