【今週の悩めるマダム】
大学1年生の娘が手に負えません。よくわからないのですがイベントサークルというのに入ってから、とにかく帰りが遅く、深夜の2〜3時にコソコソ帰ってきたり、朝帰りもしばしば。終電で帰ってくるように言っているのですが、いくら注意しても聞きません。まだ未成年なのにお酒の臭いもします。(京都府在住・50代主婦)
親にとって、子どもの問題は本当に、本当に心配が尽きません。僕はシングルですし、息子は高校生ですから尚更です。幸い、息子は酔っ払いが嫌いで、タバコもやりませんから、ちょっと安心はしています。でもフランスの中高生は、校門を一歩出たら自己責任。教師はいっさい干渉しませんので、中学生でも校外では平気でタバコを吸っています。日本人の僕からすると耐えられません。ときどき、あまりに幼い子だと注意をするのですが、「は? なんですか、おじさん。あんた何人? あっち行けよ」みたいな顔をされます。フランスのような欧米の子どもはませているし、弁が立つので、手が付けられませんね。それと比べれば、日本の不良なんて可愛いもんです。
ちなみに、フランスでは18歳から成人。なので娘さんの年齢の若者たちはみんな喫煙飲酒、夜遊び朝帰りやってます。うちの子もあと2年で18歳、きっと朝帰りは普通になるでしょう。まぁ正直、こちらでこういう現実を見ている僕からすると、奥さまのところの娘さんの場合、みんなが通る道を歩いているに過ぎない。飲酒を除けば、とくに大きな問題ではない気もします。むしろ、家にいて誰とも付き合いがない子の方が心配です。ただし日本の場合、20歳からが成人ですからね。最近は麻薬などに手をつける若い芸能人も多いので、法律を守ることを教えることは大事です。
そこで僕からの提案ですが、娘さんと過ごす時間をあえて増やしてみてはどうでしょう? 2人で遊ぶ時間を作り、たとえば一緒に夜遊びしてみるとか。僕の友人の女性編集者が実際に経験したことがあります。彼女も大学時代「鉄砲玉」と親に呼ばれていて、ある日、お母さまに夜遊びしようと誘われたそうです。といっても、買い物したり、映画をみたり、夜ご飯を一緒に食べただけですけど。でも、終電に乗る前に、お母さんは駅のホームで娘と向き合い「ひとつお願いがあるのよ」と切り出します。娘は驚き「なに?」と尋ねました。お母さまは、ものすごく真剣な顔をしていたそうです。「あなたを信頼しているからね。それだけは裏切らないでね」と言ったのだとか。「なんでよ、大丈夫よ」と娘。「帰りが遅いし、アルコールの臭いがする時もある。ママはちょっと心配なのよ」「ママ、わたしはママの子よ、変なことするわけないでしょ」そこに電車が滑り込んできて、母と娘は帰路に就いたのだそうです。この出来事を、彼女はいまだに(すでに中学生の娘がいるお母さんなのですが)、忘れられないのだとか。その女性編集者さん、自分の娘が不良になったら、一緒に夜遊びをして帰り道に同じことをやってみようと思っているそうです。いい話じゃありませんか? そうやって、みんなお母さんになっていくんです。
【JINSEIの格言】
奥さまもご自分の18歳のころを思い出してみてください。あのころは、遊び歩きたくて仕方なかったのでは? それを頭ごなしに否定するのはNG。まずは理解を示してあげましょう。
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