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【今週の悩めるマダム】

まだまだ外食は不安なので、毎日一生懸命苦手な料理を頑張っています。なのに、2人の息子たちも夫も「ケンタッキーが食べたい」「マクドナルドがいい」と言ってきます。辻さんみたいに料理上手なお父さんは、そんな悩みとは無縁ですよね……。頑張っても評価されなくてつらいです。(東京都在住・40代主婦)

 

「辻さんみたいに料理上手なお父さんは、そんな悩みとは無縁ですよね……」とありますが、とんでもない! うちの子も先日、「パパのご飯に飽きた」と心臓が止まるような恐ろしい言葉をぶつけてきました。小学校の高学年から高校2年の今日まで、男手ひとつで育てあげてきた父親に対する仕打ちがこれでいいのでしょうか? しかも、この悪態はおさまらず「マクドが食べたい。Uber Eatsでとろうよ」と言い出したのです。どう思いますか? ちなみにフランスではマックとは言いません。関西風にマクドと呼ばれています(笑)。

 

僕は自分の仕事も減らし、子育てファーストでこんなに頑張ってきたのに「Uber Eatsでマックのセットとって」って何たる侮辱! 味噌も、バゲットも、ケーキやクッキーなどのお菓子まで、すべて手作りで頑張ってきたのに、「パパのご飯は飽きたぁー。Uber Eatsでマクドォ〜」じゃ、立つ瀬がありません。開いた口がふさがらず、へなへなとその場にへたり込んでしまいました。奥様、人生相談をお願いしたいのは小生の方ですぞ(笑)。

 

しかし、注文してみてわかりました。Uber Eatsは10分以内に商品を届けてくれましたし、マクドナルドは結果から言いますと楽しかったです。僕はフィレオフィッシュを頼んでみました。懐かしい。ミュージシャンの下積み時代を応援してくれたマクドナルド、この味は不変でした。2人で並んで、ハンバーガーにかじりつき、思わず、うまい〜、と声が飛び出したほど。すると息子がこう言いました。

 

「パパ、マクドは別物なんだよ。パパの美味しい料理が僕をこんなに大きく育ててくれたことは事実だし、感謝してる。でも僕はまだ16歳で、たまにはこういうファストフードが必要なんだよ。みんなに自慢できるんだよ。もしも、マクドがこの世界になかったら、つまらないよ。僕らは学校帰りにマクドに寄って、友情を温めているんだよ。そこに自分たちのホームタウンの味がある、青春の味があるってことなんだ。格別美味しいから食べたいとかっていうわけじゃないんだ。だから、パパが必要以上にライバル意識を持つ必要もないし、がっかりすることはないんだよ。わかる? パパだって、思い出したはず。自分が若かったころのことを。こんなコロナ禍の世界で、安心して昔を懐かしめるマクドナルド、すげーじゃん、でいいんじゃないの? パパだって、たまには手抜きをしてよ。そんなに頑張らないでよ。人生を楽しんでよ。一緒にマクドを食べようよ」

 

奥様に言うべきことは息子のこの言葉に詰まっています。私たちも少し手抜きをして、マクドとかモスとかに逃げましょう。何事もバランスなんだと思います。それに、久しぶりに食べたフィレオフィッシュ、悔しいけど、うまかったです。

 

【JINSEIの格言】

「マクドナルドにライバル意識を持つ必要はないんだよ。パパもたまには手抜きしてよ」という息子の言葉に、なんだかとても安心しました。奥様もUber Eats試してみてください。

 

 

この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします! お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】(@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。 ※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。

 

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