ルネ・ラリック 香水瓶「ユーカリ」1919年 高砂コレクション 画像を見る

話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。何げなく手に取った美術館のチラシ。並んでいる作品のかわいいこと! 今回はそのチラシに引かれ、香りの器展へ行ってきました。

 

■「香りの器 高砂コレクション展」パナソニック汐留美術館にて3月21日(日)まで開催中

 

陶磁器やガラスで作られた香油壺や香水瓶などおよそ240点が公開されている本展。これらは香料を製造する1920年創業・高砂香料工業が所蔵するコレクションです。会場は、近代ヨーロッパを中心とした「第1章 異国の香り」と「第2章 日本の香り」の2章構成。

 

第1章は古代の香油壺からスタートし、紀元前から香りの歴史をたどっていきます。香水文化が開花した18〜19世紀以降は華やかな香水瓶が続々と登場。ドイツ・マイセンのユニークな色絵香水瓶や、ガラス工芸家として名を馳せたドーム兄弟の香水瓶はまるで絵画作品のよう。さまざまな技術をかけあわせた作り手のこだわりを目を凝らして見続けてしまいました。

 

第2章は日本の香りの歴史です。18世紀以降の香り箱や香炉が展示されているのですが、漆や金粉がふんだんに使われているものが多く豪華絢爛。見ているだけで優雅な気分に。焚いた香が睡眠中に髪につくようにする「香枕」や、香を聞き分ける遊戯の「組香」の道具セットなど、第1章と比較してみると日本では独自の香り文化が築かれていったことがわかります。

 

香りの歴史をたどるとともに、会場にいる間、かわいい! キレイ! 素敵! が止まらない眼福な展覧会でした。

 

「女性自身」2021年2月2日号 掲載

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