これでは誰だって金の感覚が麻痺するに違いない。そしてその後、この夫婦は問題の保険金詐欺へと突っ走るのである。健治さんによると、やっているときは、まさか逮捕されるとは思いもしなかったそうだ。「保険金詐欺で僕が立件されたのが1億5千万円ですが、トータルで8億円ぐらいの金が入りました」なぜそんなに儲かっていたのに、保険金詐欺を続けたのか。「こんな言い方は悪いけど、1つのゲーム感覚になるんですよ。やっているときは、最高に面白いんですよねえ。取るか、取られるかというような。そして、取ってしまったら、また次ぎをやりたくなるんです」(健治さん)その果てに、氷で痺れさせた足をバットで砕いて大怪我を偽装したり、自らヒ素を舐めて20日間意識不明となったこともあった。ある意味では、カレー事件の捜査で保険金詐欺の疑惑が浮上しなければ、ひょっとして、いまだに続けていたかもしれない……続きは明日…シリーズ人間【林眞須美】和歌山カレー事件・林家の10年は毎日更新