「菅は、首相には向いてなかったんですよね。トップよりも2番手、3番手で現場を仕切るほうが得意。でも、本人がやりたかったんだから、しょうがないですね」

 

そう夫への苦言を呈したのは、菅直人元首相(66)夫人の伸子さん(67)。’10年6月の夫の首相就任から3年。常に夫の身近にいて夫婦で政治について語り合ってきた元ファーストレディに、この3年間を振り返ってもらった。

 

「実は昨年の総選挙の際、『もう首相までやったんだから』と引退も勧めたんです。でも、原発事故に直面したときに首相だった体験は大きくて、今は、脱原発のための代替エネルギー推進に向けて一生懸命にやっています。“薬害エイズ問題”のときもそうでしたが、菅は本人がこれと決めたら、徹底的にのめり込むタイプなんです。実務家ですから、首相というタイプではなかったと思います」

 

菅首相退陣後、野田内閣を経て、民主党は“崩壊状態”に陥った。伸子さんは、その原因についてこう語る。

 

「民主党の“内部分裂”の原因は、やっぱり小沢(一郎)さんと一緒になったことにあるでしょうね。小沢さんの周りには“子分”しかいないでしょう。菅は、市民運動から出てきた人ですし、“仲間でやる”という意識が強いんですよ。小沢さんから見えてくるのは権力闘争だけですね。この国をどうしたいのかが、わからない」

 

5月末、首相公邸にはまだ引っ越していない安倍首相に対して“公邸に幽霊が出るからでは?”といった国会質問が飛び出て話題となった。首相在任当時、首相公邸で生活を送っていた伸子さんに真偽を聞いてみると……。

 

「公邸の中は、小泉(純一郎)さんが首相だったときに新しく建てられたプライベートスペースと、戦前からの旧官邸の建物だった古いパブリックスペースに分かれていました。古いほうは、二・二六事件の銃弾の痕が残っていたり、カーペットを剥がすと野営の焚き火の痕で床が焦げていたりと、歴史の爪痕を感じました。でも、話題になっている幽霊を見たことはありませんね(笑)」

 

現在の安倍政権には、こう苦言を呈する。

 

「安倍さんが原発の輸出まで言いだしていますが、やっぱり首相として原発事故に直面しなかったからじゃないですかね。あの状況を経験していれば、いくら経済優先だといっても、原発推進なんて言えなくなると思いますよ。奥さんの昭恵さんにはぜひ、ご主人への“脱原発への提言”を頑張ってもらいたいですね」

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