いま、女子大生を中心に、未婚女子の間で専業主婦願望が高まっているという。20〜30代の未婚女性を対象に行った調査によると、専業主婦に「なりたくてもなれない」の回答は7割に上った(株式会社ユーキャンと株式会社アイシェアの共同調査より・’10年)専業主婦願望について、『婚活』や『パラサイト』といった造語の生みの親でもある、中央大学文学部教授の山田昌弘さんはこう解説する。
「女子学生の専業主婦願望は高まっていると思います。ただし、その多くは高収入の男性と結婚していい生活をしたい、キツい仕事から逃れたいというもの。経済格差が拡大し高収入の未婚男性は減少しているので、理想と現実は一致しません。ずっと実家にパラサイトをして理想の人”待ち状態”になるケースもあります」
今回、そんな女子大生が憧れる専業主婦をライフスタイル別にご紹介。
【セレブ系・サロネーゼ主婦】
夫か、実家がお金持ちで働く必要のない主婦。エステやネイルなど美容に余念がないので見た目より若く見える。夫婦で並ぶと娘みたいに見えたりするケースも。自宅を改装して料理教室を開いてみたり、輸入品を扱うショップを開店させる『サロネーゼ』として起業し、赤字になっても、のほほんとしているタイプ。
【深窓系・ナイーブ主婦】
お嬢様短大や、有名企業のOL経験がありバブルを謳歌している世代も多い。プライドが高く傷つきやすいので、たとえ夫の収入が下がっても気軽にパートに出られない。素敵な仕事ならしてみたいという願望も。家はいつもきれいでおっとり。
【アカデミック系・教育ママ】
子どもの教育、進学、就職が命なので自分のことはさておき、子ども漬けの毎日を送るママ。自分は贅沢をせずひたすら子ども中心で、お弁当作りは欠かしたことがない。家でできるパッチワークや刺繍などの趣味を持っていたりもする。
【ヤングカジュアル系・ロハス主婦】
比較的若い世代に多く、収入が少なくても物欲があまりないので平気。マイペースでブランド物には興味がなく、ユニクロなどファストファッション系。100均の常連で何かしらひと工夫やオリジナリティのあるアレンジを加えて使うのも得意。
専業主婦に対する優遇措置である配偶者特別控除の廃止が取り沙汰されたり、控除の壁も年々縮小傾向になるなど、社会全体が働くことを推奨する風潮も強い現代。だからこそ、『絶滅危惧種』といわれるほど減少傾向にある専業主婦に憧れる未婚女性が増えているのかもしれないー。