リクルートライフスタイル社・ビューティ総研の調査では、15歳以上の娘がいる母親35〜64歳の2人に1人が「娘と一緒に美容院に行く」と回答。さらに旅行が年に1.8回、映画は1.9回に対し、美容院は年2.6回と、高い頻度で一緒に出かけていることがわかった。
この「ママもサロンに行こうよ」「ママもネイルを始めてみようかな〜」といった「ままも族」が今、急増しているという。
実際に、最新美容スポットでみごとに若返っていく「ままも族」がいた。大阪・心斎橋にある人気ヘアサロン『LIM+LIM』では昨年「お母さんのカラーリングプレゼント」と題した「母の日カード」を配布。娘からカードを贈られた300人のママが来店した。ある50代母は、すっぴん&ジャージ姿から、いわゆる“美魔女”に大変身!
「初めは『場違いなところに来てしまった』と気まずそうでしたが、別人のようにあかぬけて、ご本人も大喜び。以来、おひとりでも来るようになりました。どんどんメークや服装もおしゃれになって、10歳は若返りましたね。お嬢 さんも『あんなタイプじゃなかったのに!』と」(LIMディレクター・徳田秀樹さん)
いっぽう、首都圏で10数店舗を展開しているネイルサロン『マジーク』では、2月から母娘2人以上で来店すれば全メニュー30%オフという「母娘割キャンペーン」を実施している。多くのママがここでネイルデビューを果たした。
温泉宿では、岩手県花巻市の『新鉛温泉結びの宿 愛隣館』が「母娘限定 女同士で水入らず!選べる料理・エステ付き」というプランを実施している。選べる特選メイン料理は部屋食確約、4,200円相当のエステ・マッサージなどの特典付きで、平日2名1室1人16,500円〜(税込み)。
だが、このブームの本当の主役は、実は40代の主婦たちだという。「バブル世代や男女雇用機会均等法後の世代がママになったことが、深く関係しています」と、ビューティ総研でセンター長を務める野嶋朗さん。
「いまの40代は働く女性も増えて『自分らしさ』を問われた世代。流行にも敏感ですし、消費意欲も旺盛。美に対する好奇心も強いんです。そこに新しいサービスが続々登場。最初は気後れしていても、娘さんが案内役になったことで、“美へのポテンシャル”が、ふたたび開花したのです」
女性のライフスタイルに詳しい、ジャーナリストの白河桃子さんはこう語る。
「もともと日本は夫婦より親子の結びつきが強い国。『一卵性親子』という言葉もありましたが、40代の“女子力”が高くなったことで『ままも族』となったのでしょう」