「ガソリンが1リットル150円台と高値が続く中、今度は自動車保険が値上げラッシュです。マイカーをお持ちの方には、頭痛の種がまたひとつ増えてしまうかもしれません」
そう話すのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。今年4月から自動車損害賠償責任保険が平均13.5%引き上げられた。これは強制保険で車検と同時に更新するものだが、自家用乗用自動車では24カ月で2,890円値上げになり2万7,840円。軽自動車では4,400円値上げで2万6,370円となった。
それに加え、任意保険である自動車保険も、各社、等級制度や料金の見直しが相次いでいる。今回の見直しは単純な値上げばかりではなく、等級制度の改定が中心にある。等級制度とは、保険契約者を1〜20等級に振り分け、事故を起こさなければ翌年は1等級上がり保険料が安くなる一方、事故を起こすと3等級ダウンとなり翌年の保険料が高くなる仕組みの制度だ。
「見直し後の保険料は、無事故で1等級アップなら従来より割安に、事故を起こし3等級ダウンした方は大幅にあがるように変わります。事故の有無が、今まで以上に保険料を大きく左右するのです。今後は小さな事故なら、保険を使って3等級(もらい事故なら1等級)落とすより、自費で修理するほうが得になるケースも増えるでしょう」
保険料の見直しは、今後の傾向として多くの保険会社で適用されると思われる。だが、自動車保険はどれも横並びではない。最近はさまざまな特徴のある商品が増えていると荻原さんはいう。
「たとえば、セゾン自動車火災保険の『おとなの自動車保険』は40〜50代の保険料が割安に設定されています。またアメリカンホーム・ダイレクトなどのリスク細分型自動車保険は、免許証カラーや性別、居住地、車種などで細かくリスクを分類し、保険料を決定します。無事故を続けている低リスク群の方は、保険料がぐっと安くなることも」
全体的に保険料は値上がり傾向にあるようだが、この機会にいろいろな保険の見積もりを取り比較検討して、自分にとって最もお得な保険を探してみてはいかが?