4月に全線開通し、被災者に元気を与えた三陸鉄道が、今年上半期で6千万円を超える黒字となった。第三セクター鉄道の多くが経営に苦しむなか、この21年ぶりの快挙は、日本中に希望を与えた。

 

「被災した駅周辺の人口が減り、地元の方の利用が半数になりましたが、『あまちゃん』が起爆剤になって観光客が倍増。また社員のガイドで被災地を見てまわる『震災学習列車』などの団体客も好調です。キャラクターグッズやオリジナル商品の物販も順調なことも黒字化につながりました」

 

そう話すのは、三陸鉄道の坂下政幸取締役事業本部長。三陸鉄道では多くの支援を受け全線復旧にこぎ着けたことから、社員の“やる気”モードが変わったという。

 

「鉄道事業は県や地方自治体の補助金が欠かせません。しかし、これまでの依存体質から、まずはお客さまに喜んでもらうためには、何ができるか考える社員が増えました」

 

『あまちゃん』後、乗客を喜ばせる鉄道に変わった「三陸鉄道」。お座敷列車はいまも、すぐに予約でいっぱいだという。そんな北の地の鉄道が、被災地に新しい風を吹かせる。

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