「2015年の流行語大賞は例年以上に不作でした。大賞を受賞した『トリプルスリー』『爆買い』はそこまで流行ってませんよね。TOP10に入った中で私が選ぶなら(五輪の)『エンブレム』ですが、ネガティブな話だから大賞には選ばれない。『五郎丸』も流行語ではなく、単に人名だし。『一億総活躍社会』はツッコみたくなる、という意味では納得ですかね。『一億総○○』というパロディをたくさん見かけました」
そう話すのは、「プロ彼女」という言葉の生みの親で、エッセイストの能町みね子氏。彼女は、2015年の流行語大賞をどう見ていたか。
「やけに政治ネタが増えて、思想色が強くなりました。私なりの流行語の定義は『いつの間にか使っていて、発信元不明』なもの。2015年だと『ヌケ感』なんて、女性誌を見ているとよく使われてますね。大学生に聞いたら『よさある』って言い方が流行ってるって(単に「よい」という意味)。でも、こういうのは絶対入らないんですよね」
流行語大賞を選ぶとしたら?
「ネット用語、好きなんですよ。『草生える』(ネット用語でW=(笑)のこと。最上級が『大草原不可避』)とか、入れてもいいですよね。2015年最も強烈だったのは、武藤貴也議員が未成年買春騒動で交際相手に言ったとされる『奴隷だよ』。金銭問題も吹っ飛ぶような、パンチ力のある言葉でした。『五郎丸ポーズ』を入れていいなら、『上西小百合メイク』だって入れてもいいでしょう。メイク方法自体が流行ったわけじゃないですけどね。私が作った『プロ彼女』もなぜか流行語候補の50個に選ばれましたけど、もし入賞していたら、本当に表彰式に呼んでくれたんですかね?」
(FLASH 2016年1月5・12日号)
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